• このエントリーをはてなブックマークに追加

りゃんさん のコメント

孫崎さんはいままでもたびたび米国の白人至上主義者の暴力、しかもユダヤ人に対する暴力を問題にする。もちろん暴力がいいわけがない。しかしこの問題には歴史が存在する。

America Firstをかかげたのはトランプが最初ではない。1940年台のはじめ、America First Committeeなるものがあり、大西洋横断飛行で有名なリンドバーグがそのスポークスマンとして活動した。America First Committeeの活動目的は米国を参戦させないというものだった。

リンドバーグの反戦演説として有名なのがDes Moines Speechであり(演説は1941年9月で真珠湾攻撃の少し前)、
http://www.charleslindbergh.com/americanfirst/speech.asp
このなかで、リンドバーグは
The three most important groups who have been pressing this country toward war are the British, the Jewish and the Roosevelt administration.
とはっきりのべている。ここで詳細は略すが(少し考えれば常識的にわかる)、イギリス人、ユダヤ人、ルーズベルトには欧州の戦争に米国を参加させる強い願望があり、すなわち当時の戦争勢力であり、グローバリストであった。

米国の戦争勢力のいやがらせに我慢できなかった日本が真珠湾攻撃をしたことをきっかけに、米国は欧州の戦争に参戦でき、イギリス人、ユダヤ人、ルーズベルトは目的を果たした。そして米国の青年たちが多数死んだ。

ヒトラーの迫害から逃げたユダヤ人の主要な行き先は、パレスチナと米国であったが、第二次大戦後も米国のユダヤ人勢力がイスラエルを助けるという構図ができあがり今日に至る。

しかも、リンドバーグの当時、米国のユダヤ人勢力は、メディアと政治をにぎりつつも、まだ米国においても迫害されることの多い存在だったが、大戦後、さらにメディアと政治への関与を深めて、いまでは容易に批判を許さない勢力になった。

冒頭にいったことをくりかえすが、もちろん暴力がいいわけはない。その一方で、この問題には歴史が存在し、米国の白人至上主義者たちの主張というものにも、耳を傾ける必要はあるとおもう。そして、たぶん、日本の本当の右派(自民党はどちらかといえばサヨクだと位置づける自分のようなもの)が学ぶべきは、こうした白人至上主義者たちの主張であろうという気がしている。
No.6
72ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
「米国・NYT論評「米国で右派暴力が増加( In the United States, right-wing violence is on the rise ) ・過去10年間、右派イデオロギーに誘発された攻撃者は射撃、爆発等暴力行為を行ったが、国内過激グループのどのカテゴリーより多い。 ・左派暴力は減少しているが白人至上主義者等による暴力はオバマ大統領以来増え、トランプ大統領で急増している。 ・2018年左派による致命的攻撃は一件(元海兵隊員、 Black Nationalist movement )のみである。 ・本年右派攻撃で少なくとも20名が死亡している。右派テロは、憎悪に動機dづけられる犯罪に関心がある中、生じている。学校、大学構内等での反ユダヤ事件は、2017年57%増加している( The Anti-Defamation Leagu による)。 FBI 統計では憎悪犯罪は昨年比17%増である
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。