changeさん のコメント
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『季論21』2019冬・掲載 木村衛一著「ドイツ極右が狙う価値の転換」
・ドイツは戦後民主主義の優等生。今、右翼ポピュリズム台頭。
・ AfD (ドイツのための選択肢 Alternative für Deutschland )は2017年9月24日連邦議会選挙で12.6%(+7.9%)獲得、全16州議会で議席。 → 政治的次元にとどまらない、精神的・文化的・道義的な分岐点
・もともと反 EU を掲げて結党された AfD は、排外主義、反ユダヤ、歴史修正主義、等極右的要素強める。
・歴史修正主義。「ドイツの罪責文化は終わった」
・ AfD は国粋主義、人種差別主義は隠さない。「混血民族の製造」の糾弾、「信仰の自由はイスラムから取り上げるべきだ」
・「反ユダヤ主義」も明白。
・「体制全体、気候全体」の清算を要求。
・ドイツにおける排外主義大衆運動の先駆けは2014年からの「
ドイツの最近の目まぐるしい動向を見ていくと、2015年から2016年に起きているシリア難民を無視することができない。根本原因は、シリアアサド政権に当事者能力がなく、国連(米国を主体とする多国籍軍)とロシアが対立する側につき、シリア国民が路頭に迷ってしまったことである。
欧州全般に影響している人種問題は、歴史的に、ユダヤ人問題とジプシー(漂流民)の一民族「ロマ人問題があるが、東ドイツ出身のメルケル首相が異常な熱意をもって、シリア難民問題に取り組んだ結果が、悪い方向に流れてしまったということである。メルケル自身は、難民を引き受けることによって、次の選挙を有利に進めようとしたわけであり、現在の結果は受け入れているが、ドイツ人民の流れが、人道的配慮から一気に自国民優先の方向に舵を切り始めたということでしょう。
中東、アフリカ難民を15年から16年の2年間で120万人受け入れた。2016年でみると、ドイツ(約72万人)、フランス(約7万人)、英国(3万人)であり、ドイツが突出して難民受け入れが大きい。CSUなどは20万人ぐらいにすべきだと主張したが、メルケルが受け入れなかったということである。120万人受け入れても、企業の正社員は10%に満たないという。メルケルの理想に反して、国民の平等性が一気に崩れ、貧困者の拡大、深刻化と民主主義に対する疑問を起こしてしまった。
ドイツ極右と言っているが、ドイツ国民の信頼をメルケル首相が失えば、社会的混乱という深刻な事態を巻き起こした難民問題がやり玉にあがることは致し方ないことであり、難民問題に対する政策変更が余儀なくされ、メルケル首相の基盤が瓦解していくのは当然なことでしょう。
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