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りゃんさん のコメント

樋口レポート関連の一連の動きは、冷戦終了後の世界にどのように対応していくか日本の支配層の一部が構想を錬るなかで、安全保障面で日本としての独自性を出そうとした動きであったとおもいます。

しかし、日本への第二次大戦以来の警戒感を完全に解いたわけではない米国が、日本のアジアにおける存在感が高まることをよしとしなかったと総括できるのではないでしょうか。同じくらいの時期に、アジアにおいて「円」を基軸通貨にする構想も、同様に米国につぶされています。

ただし、樋口レポートの構想そのものに大きな甘さがあったとわたしはおもいます。樋口レポートにおける構想の主軸は国連の役割への期待であり、現状認識としては、中国や韓国が大きな経済成長を遂げたり、北朝鮮が核兵器をもつ以前の東アジアです。

21世紀になって以降の世界では、国連はさらに機能を失い、北朝鮮というならず者国家、そして中国韓国という(わたしにいわせれば、やはり)ならず者国家が跋扈する東アジアになってしまいました。もしもそのころ中途半端に独自の東アジア安全保障体制など日本が構築しようとしていれば、さんざんカネをつかわされ、苦労させられ、そして今頃は結局破綻していたとおもいます。

かれらの国家体制や国民性からすればそうなることは、今から考えれば、1990年代時点で見抜けていて当然であり、それが見抜けなかったのは、パックスアメリカーナの平和とゲンパツのデンキを浪費しながら、ビールを売っていたレベルの人の限界でしょう。
No.5
70ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
元自衛隊特殊作戦群初代群長、明治神宮「至誠館」館長、現「熊野飛鳥むすびの里」創設、 荒谷卓著『サムライ精神を復活せよ!』の「おわりに」引用 「私は、大学卒業と同時に「武士道」を実践できる現場に立てる喜びで意気揚々と自衛隊に入隊した。そして国防の最前線に 30 年間、身を置いて分ったことは、「武」を放棄した国の哀れさでした。 米国のリスク・ビジネスの顧客になりさがり、敵にとって格好の標的になる地上配置型ミサイル防衛システム「イージス・アショア」のような軍事的合理性もない高額の兵器を買わされて、必死に日米同盟を維持しようとしています。 冷戦の始まりとともに、日本は米国の対ソ戦略に巻き込まれ、ソ連の軍事力を東西に分断するため、極東戦線の軍事基盤として位置づけられました。そして冷戦終了後、軍事的な脅威が低下し、日本は主体的な防衛体制を構築する機会を得たにもかかわらず、自らそのチャン
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。