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りゃんさん のコメント

河野外相が「相互防衛義務を負うNATOの国と日本で地位協定が異なることはあり得る」「一部を取り出しての比較は意味がない」と述べているとおりで、それにつきます。わたし自身も、この場でそういう意味のことを書いたことがあります。

東京新聞は「開き直りに聞こえる」とコメントしていますが、つまり、なにか具体的な事実や論理では反論できず、印象論を持ち出すしかないということです。

ひとつ注意しておくと、河野外相のコメントのなかでNATOということばがあるので、NATO的な集団的軍事同盟が大事なのだと誤解する向きもあるかもしれませんが、本質的なのはNATOではなく相互防衛義務のところです。たとえばNATOが解体して、ドイツが米国となんの軍事条約も結ばず、米軍基地をドイツ領内から完全に追い出しても、イタリアが米国と相互防衛条約を結ぶと言うことは考えられ、その場合のイタリアは米国と対等な立場で地位協定を結ぶことでしょう。なお、「緑の党」が存在感をましているドイツでNATO脱退というようなことが起こりうるかと考えるに、EUが解体方向ななか、露仏同盟の過去をおもいだすと、ドイツが米国との関係を絶つとは、わたしにはまったくおもえません。

地位協定の不平等を改善するには、1、安保条約を完全に廃棄して日本独自に防衛する 2、日米相互防衛条約を結ぶ のどちらかしかありません。そして1については、日本の有権者のなかでは戦後一貫して多数派になりませんでした。わたしは2にするしかないとおもっているし、前にもこの場で書いたことがあります。

そして1にするにしても2にするにしても、9条2項の削除が必要です。
No.5
66ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
日米地位協定の不条理がより鮮明になった。沖縄県が二年かけて調査した 欧州各国との比較では、米軍の活動に国内法を原則適用しないのは日本だけ である。政府は抜本改定に本気で取り組むべきだ。  沖縄県は昨年と今年、米軍駐留を受け入れているドイツ、イタリア、ベルギー、英国に職員を派遣し、地位協定の内容や運用実態を調べた。四月に発表した報告書の核心は、米軍に国内法が原則として適用されない日本と、自国の法律や規則を厳格に適用している各国との差だ。  北大西洋条約機構(NATO)本部があるベルギーは、憲法で外国軍の活動を基本的に制限。外国軍機の飛行には自国軍より厳しい規制を設けている。英国は国内法の駐留軍法を米軍に適用。英側が米軍基地の占有権を持ち、英軍司令官を置くことを定めている。   ドイツ、イタリアも含め各国が米軍基地の管理権を確保し、訓練や演習に主体的に関与 している状況が明らかになった
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。