りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
A: 事実関係
中国政府は 24 日、国防白書「新時代の中国国防」を発表。中国の国防白書発表は 2015 年 5 月以来 4 年ぶり。「南シナ海と釣魚島(沖縄県尖閣諸島)は中国固有の領土だ」と明記。(毎日新聞)
B: 評価
日中双方とも、尖閣諸島について、自己の領土であると主張。
1:まず、ポツダム宣言を見てみたい。
八 カイロ宣言ノ條項ハ履行セラルベク又日本國ノ主權ハ本州、北海道、九州及四國竝ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルベシ
2:カイロ宣言
「右同盟国ノ目的ハ日本国ヨリ千九百十四年ノ第一次世界戦争ノ開始以後ニ於テ日本国カ奪取シ又ハ占領シタル太平洋ニ於ケル一切ノ島嶼ヲ剥奪スルコト並ニ満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコトニ在リ」
3:連合国最高司令部訓令第677号( scapin 677)
日本と言う場合は次の定義による。
日本の範囲に含まれる地域として
その内容も、【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読めなくもない、という程度である。
そのうえ、たとえ【中国側が尖閣諸島の棚上げを提案した】と読んだとしても、日本側がその棚上げ提案に合意したと読める要素はまったくない。
その証拠に、孫崎さん自身が、文中では(中国側が)「実質的には尖閣諸島の棚上げを提案したと言ってよい」と書いてはいるが、「実質的には尖閣諸島の棚上げに両者が合意した」とは書いていない(今回の文章の最後のところ)。なんとなく読めば読み過ごすが、提案と合意はまったく意味が違う。孫崎さんはそこを証明なしにごまかしているのだ。
「田中総理・周恩来総理会談記録」を精確に読めば、田中・周会談において、そうした合意はなかったことの、逆に、証拠になっているといえよう。
さらに、かりに譲りに譲って孫崎さんの立場、つまり「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしても、そうだとすれば、「日本管轄で棚上げ合意」があったのだとしか、中国側は言えないはずだ。「(略)釣魚島は中国固有の領土だ」など、まさに盗っ人猛々しい主張だとしかいいようがないが、孫崎さんは何も言わない。
こういうのが 忖度 である。
当時、中ソ対立を背景に、ニクソンが訪中し(米中接近)、日本も米国への対抗心から中国(中共)と国交正常化を急いだといわれている。国交正常化自体は、日本政府に都合が良く、中国政府も喜ばない理由はなかった。つい数日前に新聞は操作されるという記事を読んだばかりなのに、日中双方からどんだけカネやらオンナやらを世話されていたかわからないメディアを信じてしまうヒトビトもいるのだろう。
賢くならなければどうにもならないとおもう。
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