りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
北方領土に対する私の案。 1956 年の日ソ共同宣言に基づき平和条約を締結する。その際ロシアは共同宣言に基づき、歯舞色丹を日本に引き渡す。国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する。
1:参考:日ソ共同宣言 9 日本国及びソヴィエト社会主義共和国連邦は、両国間に正常な外交関係が回復された後、平和条約の締結に関する交渉を継続することに同意する。
ソヴィエト社会主義共和国連邦は、日本国の要望にこたえかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとする。
2:関連記事
東京新聞「北方領土「2島引き渡し」も困難 安倍政権、日ロ長門会談から3年」
安倍政権内で14日までに、北方領土交渉の落としどころとして検討
https://biz-journal.jp/2018/11/post_25682.html
従来の主張を前提に今回の記事を読むと、少し「あれ?」とおもうところがある。今回の「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」というところは、従来の主張であれば、孫崎さんは、「サンフランシスコ講和条約で日本は国後・択捉を放棄している」と主張していた。それに対してわたしは、ロシア(ソ連)はサンフランシスコ講和条約の当事国ではないので、ロシアに対しては必ずしも日本はサンフランシスコ講和条約にしばられない旨主張してきた(なお、孫崎さんは日ソ共同宣言が日ソ間の実質的平和条約であると主張しており、そこに国後・択捉の帰属についての規定はない)。
ここで、今回「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」と孫崎案はなっていても、孫崎私見では「サンフランシスコ講和条約で日本は国後・択捉を放棄している」のだから、結局「日本は国後・択捉を放棄」することになるのだとすれば、孫崎さんの主張は以前と同じである。
一方、「国後・択捉については「サンフランシスコ講和条約、および国連憲章等を基礎に解決する」と合意する」結果、国後・択捉について日本はさらにロシアと交渉の余地があるのだとすれば、孫崎さんは従来とは説を変えたことになる。
孫崎さんの説明が待たれるところである。
なお、細かい文言はともかく、大筋では、二島返還論というのは、すくなくとも今年(2019年)のはじめには、日本政府(安倍首相)の案でもあった。その点を理解していないコメントもみられるようにおもう。
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