• このエントリーをはてなブックマークに追加

changeさん のコメント

フセインの国家統治を振り返ってみると、巧みな人的把握とイラクの土壌に染みついた利益配分を行っていた。米国が目指す選挙制度改革などイラク国民全般の生活向上の試みは間違いではないが、利権で染みついた土壌は簡単に改革できないという事例である。

具体的に見ていくと、フセインは、バース党と軍を効果的に用いた統治体制を敷いていた。フセイン自身は少数のスンニー派に属していたが、石油から得られる富をシーア派有力者や部族長に分配することで体制を維持していた。

現在の問題点
①県レベルで住民の賛成があれば自治区を形成できる。北部3県によるクルド自治区が誕生した。
②イランのようにイスラム法学者による統治を提唱していない。絶対的意思決定者が不在といえる。
③国民全体に富を分配する西欧方式を推し進めようとする外国勢力の関与を排除できない。

米国とかイランの対立は、イラク内の代弁者の対立といえる。本来的には、イラク自身が石油収入の利益配分を通して宗教の対立・民族の対立・部族の対立をどのように乗り越えるかを考えなければならないことでしょう。民族内の紛争が外部勢力を呼び込み、収拾がつかない事例は、アフリカでは数多く見られる。
No.4
51ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
A-1  事実関係1「イラク、米軍撤退巡り協議要請 米は「駐留適切」と拒否」(ロイター) [バグダッド/ワシントン 10日 ロイター] - ポンペオ米国務長官が9日、イラクのアブドルマハディ暫定首相と電話会談を行ったことが分かった。会談の中でアブドルマハディ氏は、米軍の撤退を求める議会決議を実行するため、代表団を派遣するよう要請した。 一方、米国務省は10日、米軍の駐留は「適切」と強調、代表団が米軍の撤退について協議する予定はないと明言した。 国務省の報道官は「米・イラクは安全保障ばかりでなく、金融、経済、外交についても対話する必要がある」と表明。またポンペオ氏は記者団に対し、北大西洋条約機構(NATO)の代表団がワシントンを訪問中で、イラクでの任務や負担について話し合うと明らかにした。 米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことを受け、舞台となったイラクでは米イランの対立で
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。