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りゃんさん のコメント

尖閣について、ほんとうに暗黙の合意があったのだとしよう。

棚上げ合意の棚上げというのは、田中・周会談のあった時点での現状維持ということであろう。
そのころ、八重山の漁師は尖閣周辺で漁撈をいとなんでいた。ときには上陸したこともあったときく。
孫崎さんにお聞きしたいが、それ以外の現状維持とはなんだろう?
いま、中国船の領海侵犯のため、事実上漁撈はできない。

田中・周会談ののち、中国は領海法を制定した。国内事務的にも、棚上げ合意を破ったのは中国のほうからなのだ。
「釣魚島及びその附属島嶼は古来中国固有の領土であり、日本側が何を言い、何をしようとも、この事実を変えることはできない。釣魚島に対する中国の主権には十分な歴史的根拠と法理上の根拠があり」
というのも大嘘だ。逆に、1960年代ころまで、尖閣を日本領と中共が考えていた証拠は多数ある。

わたしは、いま少し暗い楽しみを思わずにはいられない。尖閣は、中共内部の権力闘争しだいでは、中国人が上陸してなんらかの建造物をたてる瀬戸際にある。
米軍が動くはずはなく、安倍政権もなにもできないだろう。

中国人が上陸してなんらかの建造物をたてたそのとき、孫崎さんはどういうだろう。ほかのひとは、なんのかんの、中国のいうとおりを言うに違いない。

しかしきっと孫崎さんなら、中国に、「田中・周会談のあった時点での現状維持せよ」との論陣を張ってくれるにちがいない。
言論人としての誠実さが正面から問われる場面である。
No.11
54ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 尖閣諸島に関しては、日中双方が自分のものと主張している。日本の国内においては、尖閣諸島は日本領だと確信しているが、国際的に見て決してそういうことではない。米国が沖縄返還した時、米国は①領有権については、日中のどちら側にもつかない、②管轄権は日本にあるという立場である。  領有権がなくて管轄権はあるというのは、脆弱な関係である。  この問題は日中国交回復の時の、田中首相、周恩来首相の時の対話にまでさかのぼる。この時も尖閣問題は極めて微妙であり、正式の議題とすると日中間全体の合意が成立しないような状況である。ここで、それまでの水面下の接触を踏まえ「棚上げ合意」が暗黙の了解となった。  領有権が正式に解決しない中で、管轄権を認める形での合意は実は日本に有利である。  しかし、日中間の緊張を求めるグループの圧力で、今日、日本政府は棚上げの合意がないとの立場を取っている。それが今日の日本政府の立場
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。