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りゃんさん のコメント

有識者会議のメンバーになった山中教授へのインタビューが7月3日(金曜日)の産経新聞一面に掲載されている。
https://special.sankei.com/a/life/article/20200703/0001.html
(ネットでは全文は無料では読めない)。
語っている内容は、iPS細胞を用いて症状の謎や治療法の開発に貢献したい、というところ以外は、ふつうである。

どのような体制を整えるべきか、という質問に対しては、
「感染の拡大を抑えるには、国民全体で人と人との接触を減らす▽感染者を早期に発見し隔離する▽ワクチンーの3つの方法がある。国民全体の行動制限は、経済に対する影響が甚大だ。ワクチン開発には時間がかかる。鍵となるのは2番目の感染者の判定と隔離で、これまでは保健所職員らによる献身的な努力で行ってきた。これからは、アプリなどを用いた濃厚接触者の効率的な判定、そして必要な人に速やかにPCRや抗原検査を行う体制の確立が重要だ」
と答えている。
PCRや抗原検査は「必要な人に速やかに」と言っており、「居住者全員に」とは言っておらず、いままでの専門家会議でもこれに異論はないはずであり、この点も含めてふつうだとしか言いようがない。ワクチンについても同じことがいえるだろう。

そうすると、山中氏起用の理由は、わたしの推測では、 【国民全体の行動制限】 の点について、 政策研究大学院大学の黒川清氏(この人ももともと医者)らとともに、政府側の立場、すなわちliving with coronovirus の立場にたって慎重論を述べるために有識者会議のメンバーになったといえるのではないかとおもう。いままでの専門家会議では、この点について強硬論者もいて、尾身氏では抑えきれなかったのだろう。

「国民全体の行動制限は、経済に対する影響が甚大だ」というのは、確かに事実としてそのとおりだが、しかし、わたしはこのところの状況をみるにつけ、(国民全体の必要はないが)一定の人的・地理的範囲での行動制限が必要だと感じている。しかしそれは(程度にもよるが)政府や都の根本方針ではないので、そう簡単にはおこなわれないだろうとおもっている。

山中教授については、正直にいうと、無駄なことをしているなあという気がする。こどものころファインマンがスペースシャトル「チャレンジャー」事故調で活躍した話を読んだが、あんなふうにはいかないだろう。もちろん杞憂に終わってほしい。
No.14
46ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。