なしさん のコメント
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私は外務省国際情報局長の時、月一回位の頻度で、米国情報機関の東京支局長とホテルオークラで朝食を共にした。特段仕事の話はなかった。国際情勢や、日本の政治情勢を取りとめもなく語り合った。
その頃、映画「プライベート・ライアン」がヒットしていた。監督はスピルバーグ、主演はトム・ハンクス。筋は次のようなものである。
米国はノルマンディ作戦を成功させたが、まだフランスの多くはドイツ軍の支配下にある。この時期、陸軍参謀総長マーシャルの下に、戦死報告が届く。ライアン家の四兄弟のうち三人が戦死したというものだった。残る末子ジェームズ・ライアンは一兵卒でフランスのドイツ軍支配下の地域にいる。ライアン家の四人が全員死んだとなると、米国世論に悪影響を与える。マーシャルは一兵卒ライアンの救出を命ずる。命令をうけた大尉は部下 6 名と通訳を連れ救出に向かう。この作戦に軍事的利益は何もない。結局ライアンは救出されるが、救
映画は素晴らしかったのに。
ライアン二等兵、もしくは孫崎さんが書かれたように一兵卒
ライアンと直訳すべきでした。
プライベートライアンがどんな意味なのか知らない日本人が
ほとんとでしょう。
「ライアン二等兵」であることが映画の大きなテーマなのに。
ただわたしの感想は孫崎さんとはちょっと違います。
この映画の売りは、米国のヒューマニズム礼賛とわたしは見ました。
現実にはありえない任務と思います。
スピルバーグがこしらえた任務と思います。
スピルバークは米国はよりよい気高い国であって欲しいと
思っているのでしょう。
日本なら女手一つで育て上げた息子たちをすべてお国のために
捧げた軍国の母として絶賛されたことでしょうが、むろん
スピルバーグは米国はそんな非道な国でなく戦時にあっても
米国がヒューマニズムを失わない国であって欲しいと願って
こしらえたおとぎ話として映画を見ました。
もう一つ言いにくいのですが、ノルマンディー上陸作戦は
ヨーロッパ戦線の転機、などではありません。
以前にも書いたことですが、第二次大戦とは独ソ戦であって
それプラスそれに付随する他国の戦争です。
発端も転機も終わりもすべてドイツとソ連が戦った東部戦線に
あります。
第二次大戦を対ファシズムに対する連合軍の戦いとみるならば
圧倒的な功績はとほうもない犠牲を出して戦い抜いたソ連人が
受け取るべきものです。
ヨーロッパ戦線の転機、なるものはすべてレニングラードを
はじめとするソ連にあります。
戦後、チャーチルが駄本を書き、はたまたハリウッドが戦争映画を
たくさん作りソ連の圧倒的な功績を盗み出しました。
「レニングラード」という映画も作り多少は返しましたが。
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