changeさん のコメント
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私はイラン・イラク戦争の時、イラクで勤務していた。戦争が終わってカナダに赴任になった。カナダ外務省のアジア局長とは懇意になり食事も一緒にした。私はこの局長に次のように嘆いた。局長はフランス系である(そのことは重要な意味を持っているのだが)。
「オタワは素晴らしい。町は清潔だ。文化水準も高い。先日ベラフォンテを聴きに行った。ゴルフは出来る。スキー場も近くにある。家族は満足している。でもね、一寸不満なこともある。日本とカナダの関係は良好だ。外交的に何の問題もない。つまり私には仕事がない。これまでのソ連やイラクや英国などでは仕事は山のようにあった」
局長は笑いながら「あなたは馬鹿だ」と言う。私は驚いて「何故」と聞く。彼は次のように解説した。
「日本の外交で一番重要なのは対米外交でしょう。対米外交で一番苦労しているのはどの国ですか。カナダですよ。“米国との関係をどうするか”、我々位苦労してきた国は
日本には韓国と中国がある。過去には友好的関係が築かれていた時もある。再燃している対立は、中国とは尖閣の領土問題である。韓国とは過去の清算であり、日本としては巨額の賠償で解決したと考えているが、韓国の清算がどの時点まで遡るかわからない状況にある。
中国とは「棚上げ」論がある尖閣の問題がある。最大の不幸は人間的関係が少ない民主党政権が扱いを間違えたこともあるが、中国が日本のEEZ境界線付近で海底の掘削を始めたことであり、日本が共同掘削を提案したが無視されたことであり、中国漁船が日本の海上保安庁の船に体当たりしたことが大きい。当時都知事の石原氏が寄付金を集め個人から所有を移転しようとし、政府が所有を決め日中友好が崩れてしまった。
安倍政権が友好関係改善に動き始め、習近平訪日を決めた。コロナが訪日を延期させているが、今後の動向は次の政権の最大課題になる。大きな荷物を背負って進むことになる。ハンドルさばきを間違えると取り返しのつかないことになるのでしょう。
米中にとって極めて重要な日本の対応にかなり神経をとがらせており、政府の米中のかじ取りは極めて難しい。中途半端が一番愚策となるのでしょう。
問題の本質は価値観を共有できるかどうかであり、単に経済的互恵ができるかどうかでは済まないことである。中国との外交が厄介なことは、強気にならなければ中国民をまとめきれない危うさが隣り合わせなことであり、外交的話し合いが極めて難しくなっていることです。
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