• このエントリーをはてなブックマークに追加

りゃんさん のコメント

国会がはじまるという。どうせまた国会ではくだらない議論がはじまるのだろうが、
この件について、国会議論に関係なくわたしの希望を記すと次のようになる。

1、政府・自民党には、「中曽根政権での方針をかえていない」などと通らないことをいわず、改革の必要性を訴えて正面突破してほしい。学術会議ができたときから現在までの、学術会議の歴史(それは学術会議改革の歴史そのものだ)が具体的によくわかるように、国会で参考人を招致して解説してもらうなど、国民にわかりやすく説明すれば、かならず多くの国民は支持する。一方、この程度の問題を正面突破できないようでは、ほかもしれたことと、失望をまねくだろう。

2、6人のうち、憲法学者にはぜひともこれに関して訴訟してほしい。自分自身が当事者として、自分の学問的成果すべてをかたむけて憲法訴訟できる、しかも憲法人権のなかでもきわめて重要な人権である学問の自由についての憲法訴訟なのである。学者冥利につきるではないか。逆に訴訟しなければ、わたしなどは、一体何のためにこの人はずっと憲法なんか学んできたのだろうとおもう。

3、多少とも知的な国民には、この機会にぜひとも「学問の自由」について、基本書にのっている程度のオーソドックスな知識を知ってほしい。そのうえで、「学術会議」が「大学」のような「制度的保障」を受けうる機関なのか考えてみればいい。
また、ほかの「政府から独立した行政機関」、たとえば、会計検査院、ほかの独立行政委員会、さらには日銀等々の統制のありかたと、今回学術会議側が主張していることを比較してみてほしい。
さらに、中国びいきのヒトビトは、中国の学問のありかたについて考えてみるのもよかろう。これに関して(わたしは今回のネイチャーの文章の原文を読んではいないが、孫崎さんの日本語訳の引用などわたしがみた範囲では)ネイチャーは中国についてなにも言っていないようだが、ネイチャーの議論において、中国をどう考えるかは、まさに試金石なのであり、ネイチャーも、言ったからには、今後中国問題から逃げるわけには行かない。

まとめとして、「学問の自由」の問題は、モリカケサクラのようなくだらない問題ではない。どの立場を支持するにしろ、内容を検討する以前に興ざめするような議論は、メディアに出てくるようなひとびとにはやめてほしいと思う。
No.18
49ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
今年も、ノーベル賞が発表されている。何故ノーベル賞が世界で尊敬を集めているか。それは知性によって、新しい事実を発見確認し、これらが人類の環境を改善しているという確信である。 ノーベル賞受賞を振り返れば、特定の国家が研究の方向を決め、それが成果をもたらし、偉業を得た例はほとんどない。何を研究するか、どの様な手順を踏むか、それは研究者に委ねられる。こうした経験を踏まえ、少なくとも西側諸国は①学術研究は社会の発展に資する、②そのために社会(国家)が研究の支援をする、⓷しかし研究対象、研究自体は当事者に委ねる、つまり「学問の自由」を保証する体制を作ってきた。 ただこうした「学問の自由」の下に発せられる見解と、時の政府や政府に大きい影響力を行使する経済界の利益とが相反する事例がでる。至近な例はコロナ・ウイルス対応である。米国においては①トランプ大統領は自己の再選には順調な経済発展が必要である、②経済抑制
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。