• このエントリーをはてなブックマークに追加

りゃんさん のコメント

網野善彦の一連の著作を読んでみると、今回の記事中の

>>中世の日本では人口の八十五パーセントが農民だったというから、
>>国民のほぼ全員が一千数百年にわたって
>>こういう訓練を受け続けてきたわけである

というイメージが正しいのかどうかよくわからない。
網野によれば、中世の日本人はもっと多様だったようだし、
「日本人」自体が、地理的な「日本」に閉じたひとびとというわけでもない。

もっとも、網野もわたしが読んだときはすでに古典同然であり、
同時に、批判も多くなされていたと記憶しているが、
結局学問的に最近は網野説をどう見るのが正しいのか浅学ゆえに知らない。

どうであれ、『日本人とユダヤ人』は、網野「前」の著作であり、
そこに描かれた日本人観は、再検討を要するのではないかと感じている。
『日本人とユダヤ人』はひとつの著作として面白いが、
書かれていることの一般化には注意が必要であろう。

ただし「同調するようにとの強い圧力」については、重要な問題である。
これについては、自分のいる「社会」の具体例からかんがえるほうが、
著作からかんがえるよりも、深くかんがえられるのではないかと感じる。

たとえば、この孫崎ブログでは、「同調するようにとの強い圧力」は
あるかないか。一年前はあったかなかったか。「同調するようにとの強い圧力」が
あったとして、その圧力をかけていたヒトビト(私見では三人以上いる)は
それを自覚していたか。
No.6
45ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
孫崎享著 『日本国の正体』中、農業②キャンペーン型稲作 ベンダサン  イザヤ・ベンダサン著 『日本人とユダヤ人』( 山本書店、一九七〇年)は日本人論の傑作である。著者はユダヤ人という触れ込みであったが、山本七平であるというのが通説である。ただし執筆において、外国人が論議に関与した可能性が高いので、ここに掲載した。 ・日本の稲作は、気候の点で無理があるから , 否応なし、待ったなしの緻密な計画のもとに手ぎわよくやらねばならない。三月に苗代、梅雨期に田植え、台風前の結実、秋の快晴に取り入れといったスケジュールは崩せない。 ・中世の日本では人口の八十五パーセントが農民だったというから、国民のほぼ全員が一千数百年にわたってこういう訓練を受け続けてきたわけである。従って、一定期日を定めて、そこから逆算し、いわゆる秒きざみのスケジュールで事を運ぶ点では、全世界広し言えども日本人の右に出る者はいない。 ・このキャンペーン
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。