りゃんさん のコメント
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教育は社会の発展に不可欠である。かつて日本が経済の急反転を遂げ、「日本の奇跡」と呼ばれていた時にその原因の一つとして高い教育水準が指摘された。では今どうなっているかを、 CIA WORLD FACTBOOK,COUNTRY COMPARISON の中の Education expenditures compares the public expenditure on education as a percent of GDP. でみてみたい(区分けは著者が行っている)。
(1)1; 日本の順位 (2):上位10か国 国名 GDP 比率 データ年 1 キューバ 12.80 2010 2 ミクロネシア 12.50 2015 3 ソロモン諸島 9.90 2010 4 モントセラト 8.80
そうすると、少なくとも最近の日本において大学進学率と経済成長は関係ないということだろう。
もっとも、この30年の一部は1970年頃に大学に進学したひとびとが社会の中枢にいた時期と重なりあっている。すると、大学教育は一般的に経済成長の役に立つが、1970年頃に大学に進学したひとびとが特に無能だったから経済成長できなかったのだ、という仮説はあり得るだろう。
さて、ランキングを見ると上位には比較的小さな開発途上国、多分若年人口も多いとおもわれる、が目立つ。こういう国々では国家予算の多くが義務教育の充実に注がれているのだろう。
北欧やフランスなどは移民に対する教育が上昇要因の一部を占めるような気がする。さらに北欧などでは学ぶことが社会福祉として捉えられているのではないか。その一方で高齢者医療は日本と比べてあっさりしたものだとも聞くが、福祉においてどこに重点を置くかという問題でもあろうと思う。
日本をかえりみると、最近は「脱成長」を主題とする新書が売れていたりするが、しかし、福祉を充実させるにも経済成長は必要であり、漠然と諸外国なみに公的負担を増やせではなく、「いまの日本で」どういう教育や制度が経済成長に結びつくかの具体的議論は必要だ。
私見では、このためには、まず理系教育の大規模な充実と、文系については少数に対する超エリート的な教育が必要であろう。また中国を見習って、軍事研究と大学、企業の垣根を取り払う必要もあるだろう。
ただし、かなり前だが大学をエリート教育の大学と実務教育の大学の2種類に分ける案が言われていたという記憶があるが、その当時そういう考え方は国民に人気がなかった。軍事研究は、学術会議問題の議論を聞いていても、言わずもがなだ。
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