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りゃんさん のコメント

白井聡の書いた『武器としての「資本論」』は、中国の出てこない新自由主義解説本という不思議な本だった。著者の人間関係からは、中国を批判できなかったのだろう。その点がいちばんおもしろい本で、ほかの部分にはたいして価値のない本であった。

しかし現実には、中国なくして新自由主義は成り立たなかった。その本質はというと、労働者の賃金が高くなってしまった米国(などの資本主義国)から中国(だけではないが、ほぼ中国と言い切ってよいだろう)に工場を移すということであった。

実際には工場だけではない。環境汚染も中国に移したのだ。最近は多少改善しているのか見えないところに押し込められたのか、二千ゼロ年代には、中国の黒い川、赤い川、黄色い川、緑色の川等々の写真がネットに多数投稿されていた。米国であれば、環境保全のための莫大な投資が必要になったところだが、中国では必要なかった。さらに労働者への低福祉。

安い賃金、環境汚染、低福祉。これらを維持するのに中国共産党がとても役に立った。「共産」主義とは名ばかりで、本質は非民主的な全体主義であり、中国共産党が民衆からの異議を弾圧し搾取することで、中国共産党の高位者や、中国共産党とズブズブのウォール街・DSは、莫大な利益をあげてきた。

こういう明らかな構造をどうしても見てみないふりをするヒトビトが日本には多い。

さて、今回の孫崎さん投稿のような現実を前に、中国共産党や、ウォール街・DSは、どのような対策をとるであろうか。いままでどおりだとわたしは思う。つまり、中国の下層人民からさらに搾取し、チベット・ウイグル・南モンゴルの人民をなお一層奴隷労働させるにちがいない。
No.7
35ヶ月前
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 一般国民にとっては、中国製品の安さで我々の生活物資の多くが豊富になっていることは疑いない。逆に言えば、中国製品が物価高になり、価格差が縮小すれば、我々の生活余裕は厳しくなる。  この点に焦点を当て、6月9日日経は「中国発インフレは来るか、デフレの元凶 「世界の工場」に異変 人口減・賃金上昇の波」の論評を掲載した。主要点を見てみたい。 ************************************* ・中国発のインフレを警戒する声が出てきた。働き手の人口減で「世界の工場」の賃金が上がり、各国の物価を押し上げるという。長く続いた低インフレの時代が転換点を迎える可能性がある。 ・人口構成で、15-64歳の生産総人口は9億6776万人とピークの13年から3800万人減った。製造業への調査では、「採用難」が最大の経営課題として挙がった。中国の賃金は08年の金融危機後に倍増したが,人手不足は上昇に
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。