• このエントリーをはてなブックマークに追加

りゃんさん のコメント

孫崎さんは、最初に、

五輪の今夏開催に反対する人々の発言は明瞭である。「世界各地でコロナの感染が拡大中であり、幾つかの変異株が生じている。この中、東京五輪の開催は日本及び世界に感染を拡大させ、多くの人命を失わせる結果になる可能性がある」点に限定されている

と述べている。「限定されている」と述べている。しかし失礼ながら、これは明らかに嘘である。

もともとチャイナ肺炎騒ぎが起こる前から五輪開催に反対していたヒトビトはいた。反対論の中核にいるのはその人たちである。この人たちが、相手を黙らせる格好の手段として今はチャイナ肺炎を持ち出しているだけである。東京五輪組織委の会長だった森喜朗の辞任騒動のときは、理由はチャイナ肺炎ではなく、「女性の人権」だった。しかも精査してみれば、森氏の発言は女性蔑視といえるものではなく、切り貼り報道によるものだった。要するに、難癖をつけることができればなんでもいいのだ。

森友問題でも、最近赤木ファイルが公表され、赤木さんら現場のひとびとは値引きをおかしいものとはおもっていなかったことが明らかにされた。追究する野党や朝日新聞などからすれば、安倍政権に難癖をつけることができればテーマはなんでもよかったのであり、その同じ構造が五輪にもみられるとおもう(ここでは余談だが、野党や朝日新聞は、赤木氏の自殺に間接的に責任があるのに、頬かむりだ)。

「国の威信を傷つけようと発言している反対者はいない」「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」かどうかはわたしには断定できないが、少なくとも、日本の政治が混乱することで利益のある勢力、混乱させようとする勢力が野党や新聞のさらに背後にいるだろうとは想像している。

こういう勢力は、目的のためなら天皇も利用する。天皇は感染拡大を心配したのであり、五輪に反対する意思を明らかにしたわけではない。それを天皇をまったく敬愛していないヤカラが、天皇まで反対しているのにと利用する。

わたしがひとつ楽しみにしているのは、いま五輪開催に反対している連中が、北京五輪のときには、どういう態度をとるかという点だ。北京五輪も、もうあと半年くらいで開催予定だ。「感染者数」が問題にされているが、感染者数でいえば、この冬、減りはしないとわたしはみている。その予想があたったとき、連中は北京五輪中止を叫ぶのかどうか。
No.6
40ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
 コロナ下で、五輪をどの様に開催するか否かは、この国の政治のあり様を示す形となっている。安倍前首相は月刊誌「 Hanada 」で、東京五輪について、「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」「自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、日本にはその責任がある」と述べた。五輪の今夏開催に反対する人々の発言は明瞭である。「世界各地でコロナの感染が拡大中であり、幾つかの変異株が生じている。この中、東京五輪の開催は日本及び世界に感染を拡大させ、多くの人命を失わせる結果になる可能性がある」点に限定されている。国の威信を傷つけようと発言している反対者はいない。  選択は明確になってきている。一方に何らかの目的のために国民の生命の犠牲が生じてもやむをえないとみる層と、国民の命を最優先に政治を行うべきとみなす層の対立である。
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。