• このエントリーをはてなブックマークに追加

りゃんさん のコメント

これはたぶんわたししか言ってないはなしだとおもうが、わたしは新疆省(1882)と台湾省(1885)が同じころ設置されたことを重視している。それらは漢族が清朝の中心に躍り出てのちに結局「中国」を支配する嚆矢となった一連のできごとのなかにある。新疆と台湾とそういう等価性があるのだ。

このことは、もちろん米国の戦略家は知っているのだとおもう。そのうえで、米国は「外交ボイコット」を呼びかけているのだろう。

その含意はズバリ「台湾で中国がよからぬことをすれば、台湾では米国はそれを防衛できないが、その一方台湾と等価のウイグルでよからぬことがおきるよ」だ。もちろん「人権問題」は米国にとって口実にしかすぎないのだが、そんなことは世界中知らない人はいない。

わたしとしては、「人権問題」についての米国のダブルスタンダードがどうこうというような話よりも、今回は、これで中国の台湾侵略がとどまるかどうかが関心事項だ。

日本が「外交ボイコット」に賛成するかどうかは、きわめてむずかしい選択だとおもうが、その中心は「外交ボイコット」が習近平を敵にまわすのか、それとも中共全体を敵にまわすのかという問題だと考えている。さらに、習近平を敵にまわしたほうが得なのか、敵にまわさないほうが得なのかという問題も、中国内部の権力闘争にからんでおきてくる。

過去の例を考えると、日本はこういうとき結局明確な態度は示さないで、悪く言えば優柔不断な対応をとっている。わたしは、それが日本の知恵であり、今回もそれでかまわないとおもっている。
No.17
35ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。