りゃんさん のコメント
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ナチス・ドイツが第二次世界大戦中にユダヤ人に対して行ったアウシュビッツ強制収容所の話は歴史に興味がある日本人ならほぼすべての人が知っている。『アンネの日記』もその関連だ。600万以上の部数が売れたという。 1942 年 2 月下旬から、カリフォルニア州やワシントン州、オレゴン州とアリゾナ州、ハワイから一部の日系アメリカ人及びまだ国籍を取得していないが同地に共住していたと日本人移民約 120,000 人が強制的に完全な立ち退きを命ぜられ( 78% が市民権を有する二世、三世)、強制収容所に入れられたことについて、小説や歴史書を読んだり、映画を見た人はいるだろうか。まずいない。 ではそういう題材がないのか。立派に存在する。ミネ・オオクボ「市民13660号」がその一つである。ミネ・オオクボは 1912 年カリフォルニア州で生まれ、。カリフォルニア大学で学士、修士(美術と人類学)を得、奨学金で欧州で学び、レジェに師
しかし、日系人が強制収容所にいれられたという事実は、ありふれた常識だ(ただし細部については、なるほど、よく知られていないだろう。細部についてイメージをもつためには、小説や映画が必要かもしれない)。
なぜありふれた常識というかといえば、わりと最近もカリフォルニア州議会が公式謝罪決議をしたというニュースがあったし、それに至るための日系人の米国内での運動はおりおり報道で伝えられていたから、関心のある人々のアンテナにはひっかかっていたはずだ。
それになにより、「排日移民法」による日本人移民拒否や米国での日本人差別は、日米戦争への大きな原因のひとつとされており、戦前の日米関係に関心があれば知らないわけがなく、強制収容所もこの延長とも考えられており、やはり知らないはずがないのだ。
そして知った人々はほぼ当然に憤激しているだろう。
「われわれ」「彼等」については、そもそも外国に出た存在である日系人を「われわれ」と位置付ける考え方が、
日本人は、たとえば韓国人のようにしつこいものではないとおもうが、
それでも上に書いたように憤激し、しかし日本人らしいおだやかなやりかたで、
たとえばカリフォルニア州議会の決議を側面から支援しているであろう。
なお、日系人を強制収容所にいれたのは米国だけではなく、また、米国は日系だけでなく、ドイツ系やイタリア系も強制収容所にいれている。また、米国が移民拒否していたのは日本人だけではなく、この移民をあまりいれなかった時期、米国では(下層であった)黒人の所得が上昇していたというはなしもある。
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