記事へ戻る りゃんさん のコメント りゃん 今回の記事も多岐にわたる論点があるが、なかでも「NATOの東方拡大」についてふたつの文章を紹介しておこうとおもう。 ひとつめは東郷和彦。 「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/307219 かれは、だいたい孫崎さんと同じ議論だが、 「東欧諸国がロシアは信用できないとして、NATOの存続とNATOへの加盟を求めました」 と明言している。これは孫崎さんやここに集うおじいさんたちが決して言わない視点である。 ここのおじいさんたちは、本多勝一の「・・・側の論理」を知っていても、まったく応用できていないとおもう。無駄な読書であったのだろう。 ふたつめは篠田英朗。 キッシンジャーがダボスで語った新たなウクライナの「正統性」と欧州の「均衡」 https://www.fsight.jp/articles/-/48963 こちらは有料記事なので全文読むには購読するしかないが、簡単に内容を説明すると、キッシンジャーの著書「外交」を引用しつつ、キッシンジャーが最近のダボス会議で語った内容を読み解いている。 それによれば、キッシンジャーはNATOの東方拡大に反対していたのではなく、むしろ1994年当時は、ロシアの伝統的な拡張主義に対する「均衡」が必要であり、そのためにはNATOの拡大しか方法はないという立場であった。 その均衡点として「中立的なウクライナ」をキッシンジャーは1994年も、2014年においても、想定していたが、2022年のダボスにおいては、「「正統性」と「均衡」を最大限に考慮」しつつ均衡点を修正する必要があることを述べ、そしてウクライナの現在の行動に「正統性」があるとしているという。 このキッシンジャー解釈は、わたしのような反侵略の立場の者にも首肯できる議論で、孫崎さんがこれまでさんざん引用してきたキッシンジャー解釈に真っ向から反論するもの、孫崎さんの解釈をいわば俗流解釈とするものであり、孫崎さんは詳細な説明が必要となるだろうとおもわれる。 No.12 29ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 孫崎享著「ゼレンスキーはウクライナ国民にとって最悪の大統領になるのか」(日刊ゲンダイ) 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
りゃん 今回の記事も多岐にわたる論点があるが、なかでも「NATOの東方拡大」についてふたつの文章を紹介しておこうとおもう。 ひとつめは東郷和彦。 「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/307219 かれは、だいたい孫崎さんと同じ議論だが、 「東欧諸国がロシアは信用できないとして、NATOの存続とNATOへの加盟を求めました」 と明言している。これは孫崎さんやここに集うおじいさんたちが決して言わない視点である。 ここのおじいさんたちは、本多勝一の「・・・側の論理」を知っていても、まったく応用できていないとおもう。無駄な読書であったのだろう。 ふたつめは篠田英朗。 キッシンジャーがダボスで語った新たなウクライナの「正統性」と欧州の「均衡」 https://www.fsight.jp/articles/-/48963 こちらは有料記事なので全文読むには購読するしかないが、簡単に内容を説明すると、キッシンジャーの著書「外交」を引用しつつ、キッシンジャーが最近のダボス会議で語った内容を読み解いている。 それによれば、キッシンジャーはNATOの東方拡大に反対していたのではなく、むしろ1994年当時は、ロシアの伝統的な拡張主義に対する「均衡」が必要であり、そのためにはNATOの拡大しか方法はないという立場であった。 その均衡点として「中立的なウクライナ」をキッシンジャーは1994年も、2014年においても、想定していたが、2022年のダボスにおいては、「「正統性」と「均衡」を最大限に考慮」しつつ均衡点を修正する必要があることを述べ、そしてウクライナの現在の行動に「正統性」があるとしているという。 このキッシンジャー解釈は、わたしのような反侵略の立場の者にも首肯できる議論で、孫崎さんがこれまでさんざん引用してきたキッシンジャー解釈に真っ向から反論するもの、孫崎さんの解釈をいわば俗流解釈とするものであり、孫崎さんは詳細な説明が必要となるだろうとおもわれる。 No.12 29ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 孫崎享著「ゼレンスキーはウクライナ国民にとって最悪の大統領になるのか」(日刊ゲンダイ) 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
ひとつめは東郷和彦。
「世界は『ウクライナの正義』か『一刻も早い和平』かで揺れている」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/307219
かれは、だいたい孫崎さんと同じ議論だが、
「東欧諸国がロシアは信用できないとして、NATOの存続とNATOへの加盟を求めました」
と明言している。これは孫崎さんやここに集うおじいさんたちが決して言わない視点である。
ここのおじいさんたちは、本多勝一の「・・・側の論理」を知っていても、まったく応用できていないとおもう。無駄な読書であったのだろう。
ふたつめは篠田英朗。
キッシンジャーがダボスで語った新たなウクライナの「正統性」と欧州の「均衡」
https://www.fsight.jp/articles/-/48963
こちらは有料記事なので全文読むには購読するしかないが、簡単に内容を説明すると、キッシンジャーの著書「外交」を引用しつつ、キッシンジャーが最近のダボス会議で語った内容を読み解いている。
それによれば、キッシンジャーはNATOの東方拡大に反対していたのではなく、むしろ1994年当時は、ロシアの伝統的な拡張主義に対する「均衡」が必要であり、そのためにはNATOの拡大しか方法はないという立場であった。
その均衡点として「中立的なウクライナ」をキッシンジャーは1994年も、2014年においても、想定していたが、2022年のダボスにおいては、「「正統性」と「均衡」を最大限に考慮」しつつ均衡点を修正する必要があることを述べ、そしてウクライナの現在の行動に「正統性」があるとしているという。
このキッシンジャー解釈は、わたしのような反侵略の立場の者にも首肯できる議論で、孫崎さんがこれまでさんざん引用してきたキッシンジャー解釈に真っ向から反論するもの、孫崎さんの解釈をいわば俗流解釈とするものであり、孫崎さんは詳細な説明が必要となるだろうとおもわれる。
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