記事へ戻る p_fさん のコメント p_f コンソーシアム・ニュース特別寄稿 Jan. 12, 2021 バーンズはCIAを変えられるか? https://consortiumnews.com/2021/01/12/ray-mcgovern-can-burns-change-the-cia/ ジョー・バイデンによってCIA長官に指名された外交官ウィリアム・バーンズが、ラングレーの文化を変えることができ、それに飲み込まれないようにすることが期待されている- レイ・マクガバン記 元国務副長官ウィリアム・バーンズをCIA長官に指名することで、ジョー・バイデン次期大統領は、根絶困難な問題が多い組織のリーダーに経験豊かな外交官を選んだ。 しかし、過去が前例であるならば、CIAの石灰化した領地を率いる問題多き幹部たちは、トップからの真のコントロールに抵抗することが予想される。彼らは、トップマネジメントを上手く丸め込もうとしたり、トップマネジメントを回避しようとしたりする可能性が高い。これは新しいことではない。 特にCIAの上級作戦担当者は、自分たちを抑制したり、潤沢な予算を圧迫したりすることにならないように、意味のある監督をすることに抵抗がある。秘密主義(「need-to-know」の原則の厳格な適用を含む)が常に働いているため、バーンズは、盲目になったり、騙されたりしないように、優秀な副官(できれば強力な部外者)を必要とするのだろう。 バーンズ氏は、CIAのような大規模で多様な組織を管理した実績がないため、彼にそれができるかどうか、審査が行われることになる。 このような状況下で、バーンズがうまくやれるかどうかは未知数である。近年はアナリストが作戦担当者と一緒になることが多く、身近な作戦担当者が全面的に関与する政策や行動の有効性をアナリストが客観的に評価するための距離を保つことが非常に困難になっている。 ■トルーマンのビジョンから遠く離れて ハリー・トルーマン大統領は、公平な報道を得るために、CIAの存在を望んでいた。しかし、トルーマンはCIAのあり方に批判的であった。 ケネディが暗殺されたちょうど1ヵ月後、ワシントンポスト紙は「CIAの役割をインテリジェンスに限定せよ」と題する論説を発表した。1963年12月22日付のその論説の冒頭には、「我が中央情報局の目的と運営をもう一度見直す必要が出てきたと思う」とあった。 この論説の著者は、第二次世界大戦直後に米国の情報収集をよりよく調整するためにCIAの設立を先導したトルーマン自身であった。 しかし、このスパイ機関は、トルーマンが思った通り厄介な方向へ暴走していた。トルーマンだけではない。悲しいことに、この論文で表明された懸念、つまり、自分がうっかりしてフランケンシュタインのような怪物を作ってしまったという懸念は、1963年後半と同様、いや、それ以上に今日でも有効なものなのだ。 トルーマンの言葉を借りれば、CIAは「私がCIAを組織する必要があると考えた当初の理由と、CIAに期待したこと」からかけ離れてしまったのだ。それは「あらゆる入手可能な情報源からあらゆる情報報告を収集し、それらの報告が省内の『処理』や解釈なしに大統領である私に届くようにすることを任務とする」ものであった。 CIAの作戦部門がますます資金を蓄積し、準軍事活動やドローン ターゲティングなどにますます引き込まれていくなか、バーンズはそれをコントロールする手ごわい挑戦に直面している。 CIAのアナリストを、こうした作戦を支援する(そして本能的に応援する)役割から引き離し、その有効性とより広範な影響や影響を客観的に判断できるような距離を置く必要があるだろう。そうすれば、何十年にもわたり政治的に利用され、時には曖昧にされてきたCIAを正しい軌道に戻すことができるだろう。 (中略) ■警告 12年前、レオン・パネッタがCIA長官に指名されたとき、私が楽観論を述べたのを覚えている人は、ウィリアム・バーンズのCIA長官就任に対する私の前向きだが慎重な期待に、一つまみの塩を加えてくれるだろう。 私は、こう書いた- 「バラク・オバマ次期大統領は、レオン・パネッタをCIA長官に選ぶことで、ジョージ・W・ブッシュ政権が情報操作と分析を腐敗させた無法と欺瞞に突然終止符を打つ決意を示した」 だが、どう見ても、パネッタは組織の支配的な文化になじんで、諜報機関のリーダーというより、弁護士となった。ウィリアム・バーンズがCIAの文化を変えてくれること、そしてCIAの文化よって変えられてしまうことのないようにと願っている。 レイ・マクガバン: ワシントン市内にあるエキュメニカル教会「Church of the Saviour」の出版部門「Tell the Word」で働いている。CIA分析官として27年間、ソ連外交政策部を率い、3人の大統領に「The President's Daily Brief」を作成・ブリーフィングし、9人のCIA長官の下で働いた。引退後は、Veteran Intelligence Professionals for Sanityを共同設立。 No.3 27ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています ペルシ下院議長の台湾訪問の展開予測で貴重だったのはアルジャジーラ記載のCIA長官分析。彼は... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
p_f コンソーシアム・ニュース特別寄稿 Jan. 12, 2021 バーンズはCIAを変えられるか? https://consortiumnews.com/2021/01/12/ray-mcgovern-can-burns-change-the-cia/ ジョー・バイデンによってCIA長官に指名された外交官ウィリアム・バーンズが、ラングレーの文化を変えることができ、それに飲み込まれないようにすることが期待されている- レイ・マクガバン記 元国務副長官ウィリアム・バーンズをCIA長官に指名することで、ジョー・バイデン次期大統領は、根絶困難な問題が多い組織のリーダーに経験豊かな外交官を選んだ。 しかし、過去が前例であるならば、CIAの石灰化した領地を率いる問題多き幹部たちは、トップからの真のコントロールに抵抗することが予想される。彼らは、トップマネジメントを上手く丸め込もうとしたり、トップマネジメントを回避しようとしたりする可能性が高い。これは新しいことではない。 特にCIAの上級作戦担当者は、自分たちを抑制したり、潤沢な予算を圧迫したりすることにならないように、意味のある監督をすることに抵抗がある。秘密主義(「need-to-know」の原則の厳格な適用を含む)が常に働いているため、バーンズは、盲目になったり、騙されたりしないように、優秀な副官(できれば強力な部外者)を必要とするのだろう。 バーンズ氏は、CIAのような大規模で多様な組織を管理した実績がないため、彼にそれができるかどうか、審査が行われることになる。 このような状況下で、バーンズがうまくやれるかどうかは未知数である。近年はアナリストが作戦担当者と一緒になることが多く、身近な作戦担当者が全面的に関与する政策や行動の有効性をアナリストが客観的に評価するための距離を保つことが非常に困難になっている。 ■トルーマンのビジョンから遠く離れて ハリー・トルーマン大統領は、公平な報道を得るために、CIAの存在を望んでいた。しかし、トルーマンはCIAのあり方に批判的であった。 ケネディが暗殺されたちょうど1ヵ月後、ワシントンポスト紙は「CIAの役割をインテリジェンスに限定せよ」と題する論説を発表した。1963年12月22日付のその論説の冒頭には、「我が中央情報局の目的と運営をもう一度見直す必要が出てきたと思う」とあった。 この論説の著者は、第二次世界大戦直後に米国の情報収集をよりよく調整するためにCIAの設立を先導したトルーマン自身であった。 しかし、このスパイ機関は、トルーマンが思った通り厄介な方向へ暴走していた。トルーマンだけではない。悲しいことに、この論文で表明された懸念、つまり、自分がうっかりしてフランケンシュタインのような怪物を作ってしまったという懸念は、1963年後半と同様、いや、それ以上に今日でも有効なものなのだ。 トルーマンの言葉を借りれば、CIAは「私がCIAを組織する必要があると考えた当初の理由と、CIAに期待したこと」からかけ離れてしまったのだ。それは「あらゆる入手可能な情報源からあらゆる情報報告を収集し、それらの報告が省内の『処理』や解釈なしに大統領である私に届くようにすることを任務とする」ものであった。 CIAの作戦部門がますます資金を蓄積し、準軍事活動やドローン ターゲティングなどにますます引き込まれていくなか、バーンズはそれをコントロールする手ごわい挑戦に直面している。 CIAのアナリストを、こうした作戦を支援する(そして本能的に応援する)役割から引き離し、その有効性とより広範な影響や影響を客観的に判断できるような距離を置く必要があるだろう。そうすれば、何十年にもわたり政治的に利用され、時には曖昧にされてきたCIAを正しい軌道に戻すことができるだろう。 (中略) ■警告 12年前、レオン・パネッタがCIA長官に指名されたとき、私が楽観論を述べたのを覚えている人は、ウィリアム・バーンズのCIA長官就任に対する私の前向きだが慎重な期待に、一つまみの塩を加えてくれるだろう。 私は、こう書いた- 「バラク・オバマ次期大統領は、レオン・パネッタをCIA長官に選ぶことで、ジョージ・W・ブッシュ政権が情報操作と分析を腐敗させた無法と欺瞞に突然終止符を打つ決意を示した」 だが、どう見ても、パネッタは組織の支配的な文化になじんで、諜報機関のリーダーというより、弁護士となった。ウィリアム・バーンズがCIAの文化を変えてくれること、そしてCIAの文化よって変えられてしまうことのないようにと願っている。 レイ・マクガバン: ワシントン市内にあるエキュメニカル教会「Church of the Saviour」の出版部門「Tell the Word」で働いている。CIA分析官として27年間、ソ連外交政策部を率い、3人の大統領に「The President's Daily Brief」を作成・ブリーフィングし、9人のCIA長官の下で働いた。引退後は、Veteran Intelligence Professionals for Sanityを共同設立。 No.3 27ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています ペルシ下院議長の台湾訪問の展開予測で貴重だったのはアルジャジーラ記載のCIA長官分析。彼は... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
バーンズはCIAを変えられるか?
https://consortiumnews.com/2021/01/12/ray-mcgovern-can-burns-change-the-cia/
ジョー・バイデンによってCIA長官に指名された外交官ウィリアム・バーンズが、ラングレーの文化を変えることができ、それに飲み込まれないようにすることが期待されている-
レイ・マクガバン記
元国務副長官ウィリアム・バーンズをCIA長官に指名することで、ジョー・バイデン次期大統領は、根絶困難な問題が多い組織のリーダーに経験豊かな外交官を選んだ。
しかし、過去が前例であるならば、CIAの石灰化した領地を率いる問題多き幹部たちは、トップからの真のコントロールに抵抗することが予想される。彼らは、トップマネジメントを上手く丸め込もうとしたり、トップマネジメントを回避しようとしたりする可能性が高い。これは新しいことではない。
特にCIAの上級作戦担当者は、自分たちを抑制したり、潤沢な予算を圧迫したりすることにならないように、意味のある監督をすることに抵抗がある。秘密主義(「need-to-know」の原則の厳格な適用を含む)が常に働いているため、バーンズは、盲目になったり、騙されたりしないように、優秀な副官(できれば強力な部外者)を必要とするのだろう。
バーンズ氏は、CIAのような大規模で多様な組織を管理した実績がないため、彼にそれができるかどうか、審査が行われることになる。
このような状況下で、バーンズがうまくやれるかどうかは未知数である。近年はアナリストが作戦担当者と一緒になることが多く、身近な作戦担当者が全面的に関与する政策や行動の有効性をアナリストが客観的に評価するための距離を保つことが非常に困難になっている。
■トルーマンのビジョンから遠く離れて
ハリー・トルーマン大統領は、公平な報道を得るために、CIAの存在を望んでいた。しかし、トルーマンはCIAのあり方に批判的であった。
ケネディが暗殺されたちょうど1ヵ月後、ワシントンポスト紙は「CIAの役割をインテリジェンスに限定せよ」と題する論説を発表した。1963年12月22日付のその論説の冒頭には、「我が中央情報局の目的と運営をもう一度見直す必要が出てきたと思う」とあった。
この論説の著者は、第二次世界大戦直後に米国の情報収集をよりよく調整するためにCIAの設立を先導したトルーマン自身であった。
しかし、このスパイ機関は、トルーマンが思った通り厄介な方向へ暴走していた。トルーマンだけではない。悲しいことに、この論文で表明された懸念、つまり、自分がうっかりしてフランケンシュタインのような怪物を作ってしまったという懸念は、1963年後半と同様、いや、それ以上に今日でも有効なものなのだ。
トルーマンの言葉を借りれば、CIAは「私がCIAを組織する必要があると考えた当初の理由と、CIAに期待したこと」からかけ離れてしまったのだ。それは「あらゆる入手可能な情報源からあらゆる情報報告を収集し、それらの報告が省内の『処理』や解釈なしに大統領である私に届くようにすることを任務とする」ものであった。
CIAの作戦部門がますます資金を蓄積し、準軍事活動やドローン ターゲティングなどにますます引き込まれていくなか、バーンズはそれをコントロールする手ごわい挑戦に直面している。
CIAのアナリストを、こうした作戦を支援する(そして本能的に応援する)役割から引き離し、その有効性とより広範な影響や影響を客観的に判断できるような距離を置く必要があるだろう。そうすれば、何十年にもわたり政治的に利用され、時には曖昧にされてきたCIAを正しい軌道に戻すことができるだろう。
(中略)
■警告
12年前、レオン・パネッタがCIA長官に指名されたとき、私が楽観論を述べたのを覚えている人は、ウィリアム・バーンズのCIA長官就任に対する私の前向きだが慎重な期待に、一つまみの塩を加えてくれるだろう。
私は、こう書いた-
「バラク・オバマ次期大統領は、レオン・パネッタをCIA長官に選ぶことで、ジョージ・W・ブッシュ政権が情報操作と分析を腐敗させた無法と欺瞞に突然終止符を打つ決意を示した」
だが、どう見ても、パネッタは組織の支配的な文化になじんで、諜報機関のリーダーというより、弁護士となった。ウィリアム・バーンズがCIAの文化を変えてくれること、そしてCIAの文化よって変えられてしまうことのないようにと願っている。
レイ・マクガバン:
ワシントン市内にあるエキュメニカル教会「Church of the Saviour」の出版部門「Tell the Word」で働いている。CIA分析官として27年間、ソ連外交政策部を率い、3人の大統領に「The President's Daily Brief」を作成・ブリーフィングし、9人のCIA長官の下で働いた。引退後は、Veteran Intelligence Professionals for Sanityを共同設立。
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