(以前ここで書いていることだが)当時の米国では、America First Committee という(なにやらトランプに似た)集団が活動しており、有名なリンドバーグはその広告塔で、世論に強い影響を与えていた。かれらは別にドイツと宥和しようというのではなく、欧州などにかかわらずに米国自体の防衛に専念しようという考えであった。
つまり、America First Committee とルーズベルトとは、どちらも米国の利益を第一に考えるという本質は同じであり、その手段が前者は孤立主義、後者は介入主義という違いがあった。
そして真珠湾で激昂した世論は介入主義に傾き、America First Committeeは解散したが、本質が同じで手段が違うだけなので、世論が状況にあわせて変化したのも当然だ。米国の孤立主義と介入主義とは根本的に相容れないものではないのだ。
真珠湾攻撃前、米国世論の多数派は欧州への軍事介入にも日本との戦争にも否定的だった。真珠湾攻撃で世論は一転し、なんとかして米国を欧州の戦争にひきこみたいと考えていたチャーチルやルーズベルトは小躍りして喜んだ。
以上は孫崎さんもかつて記事で述べておられることだが、付け加えると次のようなことがある。
(以前ここで書いていることだが)当時の米国では、America First Committee という(なにやらトランプに似た)集団が活動しており、有名なリンドバーグはその広告塔で、世論に強い影響を与えていた。かれらは別にドイツと宥和しようというのではなく、欧州などにかかわらずに米国自体の防衛に専念しようという考えであった。
つまり、America First Committee とルーズベルトとは、どちらも米国の利益を第一に考えるという本質は同じであり、その手段が前者は孤立主義、後者は介入主義という違いがあった。
そして真珠湾で激昂した世論は介入主義に傾き、America First Committeeは解散したが、本質が同じで手段が違うだけなので、世論が状況にあわせて変化したのも当然だ。米国の孤立主義と介入主義とは根本的に相容れないものではないのだ。
そうであれば、ロシアは米国世論を細心の注意で扱う必要があるだろう。たとえば、ロシアとウクライナで核の打ち合いになったとき、NATO諸国や米国人になんらかの被害が出たなら、米国世論は一変する可能性があるだろう。
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