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中庸左派さん のコメント

>ドイツのショルツ首相が「レオパルト2」の供与を決定したと報じました。ドイツメディアは、少なくとも1個中隊、戦車14両程度を供与する計画だと報じています。

 アメリカ等の反ロシア同盟の圧力にドイツは屈したということだろうが、実際、この戦車供与が、象徴的意味或いはポーズ以上の意味を持つのかどうか。実際、過去にシリアで件のドイツ製戦車は使用されたそうだが、随分破壊されて恥をさらしたらしい。

 矢野義昭元陸将補のツイートによると「米独政府がウクライナへの戦車供与に同意しました。残念な決定です。これで戦争は長引きウクライナの犠牲はさらに増えます。しかしどれだけの数が兵員や整備用部品などと共に他の兵器システムと一体で送られるかが問題です。航空優勢がなければ戦車は脆弱です。数百両では戦勢挽回は困難でしょう。」という。

 実際のところ、ウクライナ劣勢という現実を前に、アメリカ帝国がなりふり構わぬエスカレーション政策に打って出てきた、ということだろう。

 しかし、それでも、これ自体はやはり、憂慮すべき危険な兆候だと考えている。アメリカ帝国も「実存」を賭けたロシアとの戦いにのりだしたのなら、エスカレーションの制御は重要性を増すだろう。世界はアメリカ帝国の暴走を制御できるだろうか?

 アメリカ帝国の「実存」に関わる恐怖について、MoAにリンクが貼られていた「Strategic Culture Foundation」というサイトの記事から。

https://strategic-culture.org/news/2023/01/23/the-most-egregious-mistake/

「ロシアは生き残り、比較的見事に生き残りました。それは「順調」に進んでいる – おそらく、多くのロシアのインサイダーが予想していたよりも良い。」

それにより、「西側諸国が、その誤算がドル覇権の崩壊につながる可能性があることを恐れている」と指摘しています。

「この誤算のショックは、西側諸国がロシアを、スペインと同等の GDP を備えた後進経済であると軽蔑的に捉えていたため、さらに大きくなっています。先週のLe Figaroとのインタビューで、Emmanuel Todd 教授は、ロシアとベラルーシを合わせると、世界の GDP のわずか 3.3% を占めるにすぎないと指摘しました。したがって、フランスの歴史家は、「では、金融の猛攻撃の全力に直面して、これらの国がそのような回復力を示すことができたのはどうしてでしょうか」と疑問を呈しました.」

 この記事によると、その疑問に関する回答は次のとおり。「トッド教授が強調したように、経済の回復力の尺度としての「GDP」は完全に「架空」です。その名前に反して、GDP は総支出のみを測定します。そして、「生産」として記録されているものの多くは、米国での医療費の過大な請求や、何百人ものエコノミストや銀行アナリストの高給の分析などの (皮肉を込めて言った) サービスなどです。それ自体は生産ではなく、「水蒸気」です。」

 「水蒸気」のようなGDPに対して、「トッドは、ロシアの回復力は、実体経済の生産によるものだと証言しています。」

「トッドが概説するように、ロシアは、戦争を維持する能力を備えた生産の実体経済を持っているため、武器供給を維持することができましたが、西側はもはやそうではありません. 誤解を招く GDP の測定基準に固執している西側諸国は、ロシアが NATO の武器在庫を上回る能力を持っていることにショックを受けています。」

 だからこそ、アメリカ帝国は「ロシアへの猛攻撃を介して、世界が新しい世界的な貿易秩序のためにドルスキームをやめることを防ぐためであり、スキームをやめると米国財務省の制裁があなたにもたらされることを警告し、あなたをクラッシュさせる」と各国を脅迫した。.

 しかしその後、この制裁は上手くいかず、「状況を一変させる 2つのショックが連続して発生しました。インフレ率と金利が急上昇し、ドルなどの基軸通貨の価値が下落し、「保証された収益」の約束が損なわれました。第二に、ロシアは金融ハルマゲドンの下で崩壊しませんでした。」

 崩壊しないロシアのレジリエンス。それがドル崩壊の引き金になる。「このスキームは、ロシアのレジリエンスによって崩壊する可能性があります。また、地球の大部分が剥がれ落ちて別の経済モデルになり、取引のニーズをドルに依存しなくなる可能性があります。」

 アメリカ帝国の自滅=ドル崩壊に世界はお付き合いする必要などあるはずがない。その観点からも、ウクライナの敗北と、一つの中国に基づく中台関係の安定、その意味での中露非米側こそが新世界秩序の本流にならなければならない。
No.29
15ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
ウクライナ情勢は今年、大きな返還店を迎える可能性がある。  ウクライナへの最大の支援は米国である。だが下院で共和党が多数を占め、彼らが青天井へのウクライナ支援を躊躇している中で、米国の武器支援は本年後半は減少するとみられる。  したがって、ウクライナ側がロシアを追い出すには本年8月頃までである。  こうした中、欧州諸国はウクライナへの軍事支援の態勢を強めている。   A-1 ウクライナ戦争はヨーロッパの指導者を意思の戦いに据える(ウォール・ストリート・ジャーナル)、キエフに対する米国の支持が後退するのではないかという恐怖が、より大胆な行動を求める圧力をヨーロッパに高めている( 1 月 22 日) ヨーロッパはロシアとのエネルギー戦争に勝利している。この地域の経済と政治は、ロシアとの対決で、指導者たちが当初恐れていたよりも安定している . 今、彼らが直面している問題は、彼らがウクライナに銃撃戦に勝利してほしいかどう
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。