• このエントリーをはてなブックマークに追加

中庸左派さん のコメント

>支配エリートが望む劇場型民主主義を実現するには、民衆の大半が政治に関心を失い、それどころか政治的に無気力になっていなければならないのである。 

 民衆が文字通り「政治的に無気力」であるなら、むしろ支配エリートの言いなりになることもなく、「笛吹けど踊らず」的なサボタージュになって良いかもしれない。極論を言えば、戦争に賛成する「民主主義」など、カンベンしてもらいたい。

 しかし、現実に行われていることは、マーケティングの手法を駆使した大衆扇動であるという。

 だいぶ前に、適菜収氏が書いた「ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体」(講談社プラスアルファ新書)という本を読んだ。この本は、小泉政権=小泉劇場が郵政民営化に如何に有権者を動員していったかを説明しながら、「B層」の問題を世に問うた内容。オビには「「B層」をキーワードに近代大衆社会の末路を読み解く!」とあった。

 ここに言うB層とは「IQが低い」、「自分の頭で考えずに、興味のある文化人、タレント、知識人の発言をそのまま自分の意見として流用します」とあり、「だから、政治家は大上段から理屈を振りかざすのではなく、「第三者の発言」を利用しながら、B層を「教育」する必要がある。」とのこと。こうしたプランは内閣府が発注した広告会社の企画書「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」において、実践されたという。

 さらに、興味深いことに、「このB層に決定的な影響を与えるのはA層(財界勝ち組企業・大学教授・マスメディア)です。だから、A層を「学習」させることが重要になります」

 現状のロシアウクライナ戦争に引き付けて言うなら、ロシア悪玉敗北間近論というウソを、第三者的ポジションから垂れ流す、あの防衛省防衛研究所の「専門家」の面々とか、小泉悠あたりがA層でしょう。彼らのロシア悪玉危険説から中国脅威論に論理が飛躍し、防衛費増税に向けた「B層」教育が現在も進行中というところだろうか?実際、ここにも「B層」よろしく小泉悠の信奉者が現れる。

 まぁ、最初から防衛研究所の連中や小泉悠あたりはお抱え専門家なのだろうから、自ら進んで曲学阿世の徒となっているのだろう。A層と支配エリートとはほぼ同義と言って良いと考えられる。

 因みに上記の本によると、縦軸がIQ軸(高低)、横軸に構造改革への肯定(右側)否定(左側)。第一象限はA層、C層は構造改革抵抗守旧派で第二象限、D層は既に(失業等の痛みにより)構造改革に恐怖を覚えている層で第三象限。第四象限がB層。

>暴力や賄賂をはじめとした独裁的な支配方法よりもプロパガンダの方が安上がりなのだ。

 政治だけでなく、経済分野、社会、公衆衛生、簡単にプロパガンダに転がされる民衆は多いのではないか?

 実際、バブル経済やら、郵政民営化、ITバブルにライブドア事件、最近ではコロナ禍の茶番やワクチン接種全体主義などなど、簡単に手のひらで転がされている民衆を、私自身は数限りなく眺めてきた。

 社会そのものが間違った異常に大きくぶれるなら、個人として、正しく判断することは簡単ではないだろう。

 私自身は大学でマル経が廃れつつある時代にマルクス主義を噛じったことには意味があったと振り返っている。
 今や時代遅れの左翼思想かもしれないが、そのズレこそが流されないモノの見方に変わったように思っている。ただし、それは流れを堰き止める知恵と力とまでは、とてもではないが言うことは出来ない。
No.22
15ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。