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中庸左派さん のコメント

 記事は対中国政策、中国封じ込め戦略の文脈に沿っていると考える。この文脈に沿うと、ロシアウクライナ戦争におけるアメリカの軍事援助や武器供給は、足かせになっており、早期終結が望ましい、という論理展開に繋がるだろう。

 ランド研究所の最近の提言では「ワシントンは、モスクワが北京に完全に従属しないようにすることに長期的な関心を持っている」として、中国封じ込め政策に集中するよう説き、ロシアウクライナ戦争については「長期戦争の結果は、絶え間なく高まるエスカレーションのリスクから経済的損害まで激増させ、得られる利益をはるかに上回る」としている(Indian Punchline)

https://www.indianpunchline.com/waiting-for-bidens-definition-of-victory-in-ukraine/

CSIS (戦略国際問題研究所)は、対中国を念頭には武器が足りない、と危機感を顕にしている。
 「一連の CSIS 戦争ゲームの結果によると、米国は台湾海峡紛争で 1 週間以内に長距離精密誘導弾などの一部の弾薬を使い果たす可能性があります。ウクライナでの戦争 はまた、米国の防衛産業基盤の深刻な欠陥を露呈させた。 長引く紛争は、枯渇した備蓄を置き換えるのに十分な軍需品、兵器システム、物資を製造できる防衛産業を必要とする産業戦争になる可能性が高いことをはっきりと思い出させてくれます。」

https://www.csis.org/analysis/empty-bins-wartime-environment-challenge-us-defense-industrial-base

 そうした状況を背景に、アメリカ帝国の中でも、「勝利の定義」を模索し始めたようだ。勿論、ウクライナ敗北を粉飾するための「定義」、即ち詭弁の検討と同義だろうが。

 「ウクライナ軍が近い将来、ロシア軍からクリミア半島を奪還できる可能性は低いと、国防総省の高官4人が機密ブリーフィングで下院軍事委員会議員に語った。」
 その上で「下院軍事議長のマイク・ロジャーズ(共和党アラバマ州) は水曜日のインタビューで、戦争は「この夏に終結する必要がある」と述べ」たとのことだ。

https://www.politico.com/news/2023/02/01/ukraine-crimea-russia-pentagon-00080799

 孫崎先生のご指摘どおり、様々な文脈が今年の夏に向けて収斂しつつあるようにみえる。

 それにしても、次の好戦論

>下院軍事委のマイク・ロジャース委員長(共和、アラバマ州)は「中国は急速に米国と肩を並べようとしている」とした上で「それを許容するわけにはいかない。この脅威に対応するため、いまこそ軍の態勢を整え能力を拡大しなければならない」と述べた。

 アメリカが勝手に独り相撲を取るならよいが、他国が巻き込まれないかねない紛争を軽々しく語る傲慢さに辟易する。
 しかし、真の問題は、アメリカ帝国への隷属思考から抜け出せずに、台湾有事=日本有事みたいにカンチガイする日本人の迎合思考だ。
 台湾がどうなろうと、我々には関係ないという毅然たる「孤立主義」を日本が身につけることを願って止まない。

>米中間で将来起こり得るかもしれない通常兵器による紛争が核戦争に発展するリスクも高まる。

 アメリカが自滅するだけなら、一向に構わないが。
No.4
15ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
A-1 事実関係;中国の ICBM 発射台、数で米国上回る=米軍( The Wall Street Journal ) 中国が保有する地上配備の大陸間弾道ミサイル( ICBM )発射台の数は米国を上回っている。米軍が議会への報告で指摘した。   米戦略軍司令官が 1 月 26 日、上下両院の軍事委員会に対し「中国の陸上配備の固定式と移動式 ICBM 発射台の数は米国の数を超えている」と報告した。  米国ではロシアや中国による核戦力増強への対応が急務になっている。米軍の ICBM 施設があるモンタナ州の上空を中国の監視気球が飛行した最近の問題を含め、米議員の間では中国にどのように対応すべきかについて議論が活発化している。  米当局者や外部専門家らによると、中国が地上に保有する発射施設の多くは空のサイロ(格納庫)で構成されている。米戦略軍は議会に対し、地上配備の ICBM の数と ICBM に搭載する核弾頭の数では、米国が中国を上回っている
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。