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中庸左派さん のコメント

 ロシアウクライナ戦争の最近の状況は、アメリカ帝国等の西側が「勝利」をどう定義するか(即ち、敗北の言い訳)模索を始めた、ということだろう。

 その背景にある戦況は
①陥落間近と言われるウクライナ軍の補給路の要衝、バフムートの状況。「ウクライナ軍は、ロシア軍が夏以来占領を試みてきたウクライナ東部の都市、バフムットが間もなく陥落する可能性が高いと述べている。」(NYT)

②弾薬の枯渇。「NATO事務総長イェンス・ストルテンベルグは月曜、ウクライナ軍が同盟のメンバーが生産できるよりもはるかに多くの弾薬を使用しており、西側の備蓄に負担をかけていると述べた」

https://news.antiwar.com/2023/02/13/stoltenberg-says-ukraine-using-way-more-munitions-than-nato-can-produce/

 だからこそ、アメリカ帝国は「ロシアのウラジーミル・プーチン大統領との交渉テーブルに着く前に、ウクライナが今後数か月でロシアから可能な限り多くの領土を奪還するのを支援したいと述べている」と見られている(Antiwar.com)

https://news.antiwar.com/2023/02/14/us-wants-to-help-ukraine-retake-more-territory-before-negotiating-with-putin/

 勿論、アメリカ帝国が考えるような虫の良い敗北の糊塗が可能とは考えられない。

 ロシア側が、昨年3月にイスラエルの仲介により、ウクライナと和平交渉を行った経緯が、当時のイスラエル首相ベネットの証言で明らかになった。

https://news.antiwar.com/2023/02/05/former-israeli-pm-bennett-says-us-blocked-his-attempts-at-a-russia-ukraine-peace-deal/

https://www.axios.com/2022/03/08/israel-russia-ukraine-ceasefire-critical-point

 ベネット元首相によると、①「ロシアの指導者がゼレンスキーを殺そうとしないと保証した」
②「ロシアが行ったもう一つの譲歩は、ウクライナの軍縮を求めないということだ。」 ③ウクライナ側からは、「ゼレンスキーはNATOへの加盟を求めることを「放棄」」すると表明した、とのことだ。

 しかし、この和平案はボリス・ジョンソン即ち英米側により、潰されたのは周知のとおり。

 いずれにせよ、①②③あたりは、和平案のベースになるとしても、個人的にはウクライナの言う領土問題が、和平案の外交交渉の俎上に乗るとは考えにくいのではないか?
 ロシア側は、クリミアやウクライナ東南部を手放すことは、絶対にないと考えている。 

 それに、戦況がロシア有利なら、「望む限り終戦を遅らせることができる。ある時点で、「西側」は戦争のための弾薬と資金を使い果たし、平和のために訴訟を起こさなければならない」(MoA.2月14日)
No.1
20ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。