• このエントリーをはてなブックマークに追加

中庸左派さん のコメント

 最近の西側指導者から、久しぶりに聞いたまっとう発言。

 「フランスのエマニュエル・マクロン大統領は12日、台湾問題に関する自らの発言は正当だと主張した。マクロン氏は5~7日の中国訪問時、フランスは米中問題に巻き込まれてはいけないなどと述べ、波紋が広がっている。マクロン氏の発言は、欧米の政治家などから批判を浴びている。マクロン氏は12日、訪問先のオランダでの記者会見で、自らの発言の妥当性を主張。「(アメリカの)同盟国であることは下僕になることではない。(中略)自分たち自身で考える権利がないということにはならない」と語った。」

https://www.bbc.com/japanese/65259417

 上記は、アメリカ帝国の腰巾着BBCの記事だから、イギリス的にショックだったろう。だが、大陸ヨーロッパでは、特異な見解ではないらしい。

「ブリュッセル - 欧州理事会のボスであるシャルル・ミッシェルは火曜日、エマニュエル・マクロン仏大統領が米国から離れた「戦略的自治」を推進することに対して、欧州の指導者はますます好意的になってきていると述べた。欧州は「アメリカの追随者」となる圧力に抵抗すべきだというマクロン大統領の発言に論争が巻き起こる中、ミシェル氏は、フランスの政治家の立場がEU首脳の間で孤立しているわけではないことを示唆した。マクロン氏はフランス大統領として発言したが、彼の見解はEU首脳の間で高まっている変化を反映している、とミシェル氏は述べた。」「数年前と比べ、戦略的自律性において飛躍的な進歩があった」と、ミシェル氏はフランスのテレビ番組「La Faute à l'Europe」(POLITICOと提携)で水曜日に放送予定のインタビューに答えている。」

https://www.politico.eu/article/europe-warming-up-to-macrons-strategic-autonomy-push-says-charles-michel/

 もっとも、こうしたフランスの姿勢には、経済的合理性もある。

https://libertarianinstitute.org/articles/macron-goes-to-china-whose-side-is-he-on/

「フランスが米国よりも中国に接近していると思われる収束点はこれだけではなかった。米国は欧州連合(EU)に対し、対中貿易政策を再検討し、強化するよう圧力をかけている。しかし、マクロンは、ウクライナとロシアについて話すためだけに中国を訪れたわけではない。中国企業に160機の航空機を売却したばかりのエアバス社や、フランスの電力会社EDFの最高経営責任者を含む、約50人のフランス人ビジネスエグゼクティブを伴っての渡航である。」

 我が日本は、こうした経済的合理性を持ち合わせているのだろうか?親米だけが唯一の世界観なら、不合理にして愚かな、文字通りの単なる「愚か者」となるだろう。
No.15
18ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。