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中庸左派さん のコメント

>米国は、中国の問題に干渉する用意があることを毎日示しています。 (台湾に代わって米国が介入する)シナリオに備える必要があり、それは現在行われている作戦で明らかだ

 個人的には、①「台湾有事」に巻き込まれないこと。②一つの中国を前提に、内政干渉を慎むこと。コレが最も大事と考えている。

 その点から、日本における「台湾有事」言説を概観してみる。

 この点で、政界実力者として、異様に勇ましい危険発言を繰り返しているのは麻生氏。

 「麻生氏「戦える自衛隊に」、台湾有事の可能性に触れ」(毎日2023/4/17 )

https://mainichi.jp/articles/20230417/k00/00m/010/149000c

 人民解放軍と戦うつもりだろうか?理解に苦しむ。

 元陸将補矢野義昭氏。「台湾有事は日米有事です。台湾を米軍の本格来援前に屈服させるには宮古、バシー両海峡を制圧し台湾東岸も完全包囲する必要があります。その為台湾と宮古海峡間の先島諸島と在沖縄米軍を制圧する必要があり日米有事になります。多次元奇襲包囲作戦となり戦況推移が速く、早く防衛出動を下令すべきです。」

 この人は元軍人だから、ウクライナ軍の戦況分析は参考になるが、それ以外は「?」というカンジである。

 次は2023/4/2産経の「自民国防部会長「台湾有事もっと早い」 石垣駐屯地開設巡り本紙単独インタビュー」

https://www.sankei.com/article/20230402-NGUPDRHTWJPCVGMFRR7PT5TSEA/

-日本としてやるべきことは、と聞かれて

「まず安保3文書の早期実現だ。これを具体的にしていくことは台湾海峡のみならず、国際社会の安全保障に対する日本の責任を果たすことに直結する。」

 国際社会において、安全保障に対する日本の責任とは、まさか、アメリカ帝国と一体になって、中国と戦争することではあるまい。

 もう一人自民党議員。「台湾有事なら日本はポーランドのような役割=自民党・木原稔氏」(ロイター、2023年4月14日)

 ポーランドのような役割?読むと、ポーランドのような避難民受け入れのことらしい。武器支援や兵士派遣のことかと思い暴論にもほどがあるとおもったら、以外と穏当だった。

https://jp.reuters.com/article/taiwan-japan-idJPKBN2WA1SW

 それにしても、台湾有事は日本有事みたいな言説は散見されるが、何故そうなるのか?という論理的説明は聞いたことがない。

 日本が在日米軍や基地のせいで、巻き込まれる、という意味ならば、そんな馬鹿げたハナシはあってはならないだろう。

 台湾に対して、なんの義理が我々日本にあるのか?何故、台湾有事が日本有事にならないといけないのか?論理的に説明する政治家を見たことがない。どこか、既成事実のように台湾有事=日本有事と語られる空気感に違和感を禁じえない。

 私に言わせれば、在日米軍や日米安保条約がなければ、台湾有事は関係ない、中国の国内問題である。

 では、当事者台湾としての受け止め方は、実際どうなのか?この点については、昨今台湾では「疑米論」という見方が一定の広がりを見せているという。

「「台湾有事」を大声で唱えるのは、アジアでは日本が最後になるかもしれない」(ヤフーニュース、3月22日)という富坂聰 拓殖大学海外事情研究所教授の見解に私は得心が行った。

「持ち上がった「疑米論」、その理由の一つとして挙げられるのは、台湾の人々の間に持ち上がった警戒心がある。アメリカは台頭する中国をけん制するため中台の対立を利用しているのではないかという疑問だ。つまり、「駒として使われている」という自覚の芽生えだ。」

「アジアが戦争に巻き込まれることを警戒して東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々は、いま米中対立をアジアに持ち込もうとするアメリカにネガティブであり、台湾の極端な行動にも反発する傾向が強い。」

https://news.yahoo.co.jp/byline/tomisakasatoshi/20230322-00342343

 戦争を避けたいのは万国共通の普遍的心理だと思う。まして、アメリカ帝国の「駒」として、戦争に仕向けられるなどマッピラゴメンというのは常識的合理的見解だと思う。

 しかるに、我が日本には「一つの中国」など、日米共に認めたわけではない、等と主観的に嘯く向きがある。こうした非常識、不合理は日本人特有の対米追従という国際感覚欠如と非論理によるのだろう。

 しかし、その倒錯した思考回路により、結果的に自らの進んでアメリカ帝国の「駒」として、戦争を煽り、突き進む言説として、台湾有事を無批判に内面化しているとするなら、愚論、愚行と言わざるを得ない。
No.14
18ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。