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りゃんさん のコメント

「G7」はいまや価値の共同体といっていいが、「グローバルサウス」にはそういう共通の価値観はないよね、だから、(イデオロギーとか手っ取り早い報道用語として使うのはかまわないだろうが)学問的な術語ではないよね、ということがどうしてもわからないヒトがいる。

あるいは「価値が違うことを認めあう共同体だ」という禅問答のようなことしか言えない。そんなものはEUだろうとASEANだろうと現実の「共同体」では存在しえない(認め合ったら分裂するだけだ)。

どこかでかじった理想主義が忍び込んでいるのだろうが、そんなものは学問ではない。別に学問でなくてもいいが、そのことを理解できているかどうかは重要だ。

インドも中共もロシアも、みずからの価値観にのっとって、「グローバルサウス」を使っており、それぞれに内容は少しずつ異なる。インドと中共とロシアは、口先はともかく、現実に価値観の違いを認め合う共同体とやらをつくるのだろうか。それはもう「共同体」とはいえないのではないか。

岸田のアフリカ訪問はグローバルサウスへの訪問と報道されることも多い。しかしエジプトはグローバルサウスなのだろうか。エジプトは例の流出文書ではロシア向けの兵器をつくろうとしていたという。今次それをやめて、ウクライナ向けの兵器をつくるといわれている。また岸田との会談では、「法の支配」に基づく国際秩序を維持し、力による一方的な現状変更は認めないことで一致した。では、エジプトはグローバルサウスなのだろうか?岸田はさらに、ガーナ、ケニア、モザンビークにも訪問する。これら諸国はグローバルサウスなのだろうか?

モザンビークは南アフリカ共和国のとなりにある。南アフリカ共和国はグローバルサウスと言われることも多い。であるなら、なぜ岸田は南アフリカ共和国には訪問しないでモザンビークには訪問するのだろう。

理想主義には理想主義の良い点はあるのだろうが、そこにとらわれてしまうと、結局、こうした疑問に答えられない、というより、こうした疑問そのものが湧かないということになる。つまり思考力が低いということになる。
No.8
18ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。