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中庸左派さん のコメント

 思うに、「一人の生命は地球より重い」というのは哲学的命題であろう。

 しかも、国内法の適用において、「超法規的措置」を決断実行したところがスゴイ。

 まさにある種の哲学を踏まえた政治決断だったと考えられる。

 国内法には司法警察や裁判所、刑事民事等の様々な法体系により、強固に構築された強制執行機構が存在する。国家そのものだ。

 それにより国内「秩序」が担保されている。

 その意味で、国内法は重要だし、強制執行力として厳然と機能する破ることできないシステムだ。

 その意味では、悪法もありうるとはいえ、我々は法律に守られている、と言って良い面がある。悪法も法なり、というわけだ。

 それをあえて「破り」、超法規的措置を実行した福田赳夫氏の胆力、哲学はスゴイと考える。

 本来、超えられない「カベ」を超えたのであるから。

 しかし、それとの対比で考えると、オルブライト発言は、国際法乃至国際秩序のあやふやさ、いい加減さを物語るものだろう。

>対イラク経済制裁について“これまでに50万人の子どもが死んだと聞いている、ヒロシマより多いと言われる。犠牲を払う価値がある行為なのか?” と問われた際「大変難しい選択だと私は思いますが、でも、その代償、思うに、それだけの値打ちはあるのです」

 その「値打ち」は、だれが、なんの根拠により算定されたのか?所詮、アメリカ帝国の独断であろう。

 では、そのことに異議申し立てして、違法性があれば、裁定機関に対して刑事告発や賠償請求できるのか?

 全くできない、と言ってよいだろう。

 国際法とか「国際秩序」などといものは、実質的にはアメリカ帝国らによる勝手なルールに堕している。

 その証拠に、アメリカ帝国だけは、いくら戦争犯罪をおかしてもゼッタイに裁かれない。その意味で、現状の国際法は空論であり、砂上の楼閣である。

 従って、国際法をどーの、こーの持ち出すこと自体、政治的バイアスがかかった不公正論法となる。

 問題は、アメリカ帝国の覇権、一極支配により国際法がそのように歪められている、ということだ。

 国際社会においては、国内法適用における「悪法も法なり」は通用しない。

 現状の「国際法」が不公正、恣意的「悪法」だから、ロシアは従わなかった。現実的にはそういうことだと考えている。

 加えて言うなら、福田赳夫氏は国内法すら哲学的超法規的に乗り越えた英断を下したのである。

 そこからして、ロシアが国際法的空論の如きを乗り越えるのは、容易いことであったろう。(ただし、ロシアはキチンと国際法的手続き論は踏まえてはいる。多数の賛同が得られていないだけだ。)

 従って、その歪んだ国際法乃至国際秩序が、多極的に公正に改められることが課題であるし、それがなされた暁に初めて、国際法を基本に国際政治を裁定する意味をなそう。

 従って、私は国際法を否定するのではないが、現状の歪んだ実態が是正されない限り、「国際法違反!」は無意味な空論でしかない、と考えている。

 ロシアに対して「国際法違反!」をいいたてるのは、小学生レベルの思考力にとどまっている多くのB層だろうと推定している。

 しかし、そうしたB層がウクライナ応援団として日本には層をなしていることが、由々しき事態なのである。

 国際法違反!が空論である、という意味は、ロシアの特別軍事作戦はゼッタイに「国際法」に法って、裁定処理されることはないであろうから。

 何故なら、ロシアはゼッタイに東南部露系ウクライナ人支配地域から撤退しない。つまり、ロシアが「敗北」することはない。

 「侵略」なる言説が空論、たる所以だ。いくら、ロシアは「侵略だ!」と空論をとなえても、結局、「国際法」ではなく、外交的に交渉により停戦和平により解決するしかないのだから、時間のムダ、というものだ。

 否、時間のムダどころか、侵略論という建前論を振りかざす形でB層ウクライナ応援団が応援するほど戦争継続を招き、ウクライナ人の死者が増大する、というまことに罪深い結果となる。

 ウクライナ応援団は、謂わば善意の「戦争屋」である。論理の筋道や結果に関する思考力も責任感も欠如している。だから、私はこういう、善意のウクライナ応援団を「凡庸な悪」と呼んでいる。

 最終的に、ロシアの特別軍事作戦は外交的に解決されるだろう。そのとき、ロシアの侵略、国際法違反を唱えた連中は現実を突きつけられることだろう。

 しかし、わたしはロシア侵略、国際法違反を唱える連中につけるクスリがないのも、彼らが厚顔無恥であることも知っている。

 ウクライナ応援団=善意の「戦争屋」である彼らは、なんの痛みも責任も反省も感ずることなく、またのうのうと同じ過ちをするのだろう。

 哀れ、ウクライナ人である。
No.21
12ヶ月前
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安全保障と少し違うが、有名な言葉に「一人の生命は地球より重い」がある。 1977 年日本赤軍グループがムンバイを離陸直後、搭乗の日航機をハイジャックし、 人質の身代金として 600 万ドル(約 16 億円)と、日本で服役および勾留中の 9 名の釈放と日本赤軍への参加を要求し、拒否された場合、または回答が無い場合は人質を順次殺害すると警告した。  この時、として身代金を支払い、超法規的措置で獄中メンバーらの引き渡しを行った。日本国内では「テロに屈するな」という声はまだ主流ではない。  では今はどうなのだろうか。  まず「ロシアは国際法を破ってウクライナを侵攻した。これは批判されるべきである」との声がある。それはその通りである。次いで、「ではどうするか」の問題である。  軍事や制裁で、ロシア軍を侵攻全の所にまで押し戻す。有力な政策でありそうである。だが経済制裁は機能しなかった。制裁にもかかわらずロシアの GDP の落ち込み
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。