りゃんさん のコメント
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安全保障と少し違うが、有名な言葉に「一人の生命は地球より重い」がある。 1977 年日本赤軍グループがムンバイを離陸直後、搭乗の日航機をハイジャックし、 人質の身代金として 600 万ドル(約 16 億円)と、日本で服役および勾留中の 9 名の釈放と日本赤軍への参加を要求し、拒否された場合、または回答が無い場合は人質を順次殺害すると警告した。 この時、として身代金を支払い、超法規的措置で獄中メンバーらの引き渡しを行った。日本国内では「テロに屈するな」という声はまだ主流ではない。 では今はどうなのだろうか。 まず「ロシアは国際法を破ってウクライナを侵攻した。これは批判されるべきである」との声がある。それはその通りである。次いで、「ではどうするか」の問題である。 軍事や制裁で、ロシア軍を侵攻全の所にまで押し戻す。有力な政策でありそうである。だが経済制裁は機能しなかった。制裁にもかかわらずロシアの GDP の落ち込み
>>まず「ロシアは国際法を破ってウクライナを侵攻した。これは批判されるべきである」との声がある。それはその通りである。
と明記している。
つまり、
1,ロシアは国際法を破ったこと
2,それは侵攻(常識的にいって侵略し攻撃したという意味である)であること
3.それは批判されるべきであること
に孫崎さんは全面的に同意している(「それはその通りである」)。国際法の現状が歪んでいるとか悪法だとかいうような留保もつけていない。国際法違反にはご同意のうえで、現実的に解決するために、超法規的な方法は模索できないものかというご趣旨であろう(※)。
※ なお、超法規的違法阻却は総理大臣といえども好き勝手にできるものではない。法益の厳密な比較衡量が必要であり、そういう意味で、依然として法の支配内部の理屈であり、違法を無規範に認めているものではない。この場合は、「一人の生命は地球より重い」という理屈のもと、「国家権力のもとでの9名の拘束+16億円」と「人質の生命」とを比較衡量して、後者のほうが重いとしたものである。9名でなくて1万名ならどうなのかとか、16億円でなくて1兆円ならどうなのかとか、考えてみたら良いと思う。また、露宇戦争の場合、ロシアはなにとなにとを比較衡量すべきなのか、ウクライナはなにとなにとを、と考えてみるのも良かろう。
ここまで丁寧に分解して書いてやったら理解できただろうか? ところがこれほど明快な孫崎さんの文の意味をとれず、プーチンすら失笑(もちろん「宣伝が行き届いているわい」という満足の笑いだ)するしかないような愚論を繰り広げるヒトもいて、その読解力のなさ低学力さには、恐怖すら感じる。ところがこういうヒトが孫崎さんが「角度」を言い出せば途端に「角度」が孫崎さんの言うとおりにみえはじめる。その愚かしさには戦慄すら覚える。
つけくわえておくと、ロシアは常任理事国であり、国際法の履行には他国よりも強い責任がある。(なおいまだにロシアは常任理事国である。国際連盟を脱退した大日本帝国はいさぎよいというべきか、愚かだったというべきか)。
また、罰が伴わないと言って、法がないというわけでも、守らなくて良いというわけでもない。これがわからぬのは、誰も見ていなければ立ちションでも万引きでもするようなヒトだろう。
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