記事へ戻る 中庸左派さん のコメント 中庸左派 マルクス主義的世界観からすると、唯物史観に基づく人類の最終形態として共産主義社会に到達したならば、国家は死滅する、ということであった。 青臭いサヨク学生時代は、そんなものか、共産主義社会とは、国境がなくなるのだろうから、戦争もなくなるのだろう、スバラシイ世界だ、みたいに漠然と夢想していたものだった。 しかし、就職してから、組合活動家として、サヨク活動は続いていたが、働く中で資本主義を打倒する「革命」により、社会主義から共産主義に移行するということが実現する社会的客観的要件が見当たらないことには、早い段階で気付いた。 当たり前だが、一部のサヨクを除けば、世の中、革命を熱望する人はいるわけがない。 ということで、早々に私は日和って、現実主義路線に「転向」したのであった。 しかし、皮肉なもので、国家の死滅って、現実難しいよな、なんて、私自身漠然と考えていた頃から、「グローバルスタンダード」なる言葉が流行りだした。 「グローバルスタンダード」に反することは、改革しなければならない!と。世界標準に合わせないといけない。日本は世界(というよりアメリカ帝国)に合わせて、変わるのだ!日本らしさは必要ない、というカンジ。 新自由主義的「改革」ブームの始まりであった。新自由主義とは、政治経済的にネオコンの思想であろう。 こうした自由競争や労働者切り捨ての「グローバルスタンダード」は、サヨク的世界観とは対立するものであったのは言うまでもない。「国家の死滅」はやぶさかではないが、アメリカ帝国によるグローバルスタンダードの押し付けや覇権は、サヨクの世界観とは異なる。 最近では、「グローバルスタンダード」より、「グローバリズム」という言い方のほうが通りが良いだろう。 新自由主義とネオコンとグローバリズムは横一線で並んだ概念と言って良さそうだ。 さて、「グローバリズム」というのは、一般に、保守どちらかと言うと極右層と相性が悪そうだ。おそらく、国家の伝統的価値と両立しづらいからだろう。 だから、極右層はグローバリズムを忌み嫌う傾向が強いようだ。 面白いのは、極右層のグローバリズム批判は、サヨク批判と結びついている点だ。 このグローバリズムの源流はロシア革命だ!ということを言っている保守系の人達もいる。 https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1956 別に否定も肯定もする気はない。ユニークな意見だと思う。 トロツキーが、スターリンと対立していて、トロツキーは永続革命論とか世界革命論を唱えていたのは知っていた。永続革命論には、どこかロマンのある響きだなぁ、という印象であった。別にチャンと勉強したことは無かった。 一方、スターリンはサヨク的にも稀代の独裁者。イメージ最悪であった。サヨク業界で、このスターリニストめが!というのは最大級の罵倒であった。 世界革命路線を切り捨て、一国社会主義に舵を切ったのがスターリン。今風に言えば、スターリンは「反グローバリズム」だろうか? https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%84%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%A0 ともかく、保守派のグローバリズム観は、トロツキーの永続革命論や世界革命論がアメリカ帝国に渡り、そこで民主党左派に巣食って、進化を遂げたもの、ということらしい。左翼的だから、なおのことけしからん、というカンジだろう。 アメリカ帝国軍産複合体が目論むアメリカ帝国一極覇権はグローバリズムの一種であろう。 そして、ダボス会議とか、WEFはグローバリズムを推進する世界エリートの戦略会議で、そのうち「世界政府」を作り上げて、国家主権を取り上げることを目論んでいる、みたいな見解を読んだことがある。 アメリカ帝国民主党が軍産複合体の隠れ蓑であり、バイデンは軍産複合体の傀儡であることは事実であろう。 そうすると、アメリカ帝国軍産複合体が世界を牛耳り、覇権を握ることはグローバリズムの世界観からすると、必ずしも悪いハナシではない、ということになりそうだ。 民主党極左トロツキズムイデオロギーによる世界政府的なアメリカ帝国軍産複合体による世界支配。その完成の暁には、世界から国家や国境は死滅するのだろうか? アメリカ帝国軍産複合体が世界を統一する覇権的支配により、国家も国境も戦争もない世界が実現するのだろうか? 私はそうは考えない。 世界から国家をなくすより、好戦的覇権主義国家が無くなるほうがハナシは早いと考えている。 好戦的覇権主義国家はアメリカ帝国である。 私は、今は国家の死滅より、グローバリズムによる覇権的世界支配のほうがよほど問題が大きいと考えている。 だから、多極化した世界による国家間の協力協調によるチェックとバランスが大事だと考えている。 その意味で、スターリンとトロツキーの対立でいうなら、私はスターリニストなのである。複雑な心境ではある。最近、ある面では、極右のヒトに共感する自分がいる。 ネトウヨに共感する感覚はないが。 根本は反戦平和が切り口である。 No.22 18ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 青灯社・原稿・与謝野晶子とジョン・レノン「イマジン」の視点「君死にたまふことなかれ、旅... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
中庸左派 マルクス主義的世界観からすると、唯物史観に基づく人類の最終形態として共産主義社会に到達したならば、国家は死滅する、ということであった。 青臭いサヨク学生時代は、そんなものか、共産主義社会とは、国境がなくなるのだろうから、戦争もなくなるのだろう、スバラシイ世界だ、みたいに漠然と夢想していたものだった。 しかし、就職してから、組合活動家として、サヨク活動は続いていたが、働く中で資本主義を打倒する「革命」により、社会主義から共産主義に移行するということが実現する社会的客観的要件が見当たらないことには、早い段階で気付いた。 当たり前だが、一部のサヨクを除けば、世の中、革命を熱望する人はいるわけがない。 ということで、早々に私は日和って、現実主義路線に「転向」したのであった。 しかし、皮肉なもので、国家の死滅って、現実難しいよな、なんて、私自身漠然と考えていた頃から、「グローバルスタンダード」なる言葉が流行りだした。 「グローバルスタンダード」に反することは、改革しなければならない!と。世界標準に合わせないといけない。日本は世界(というよりアメリカ帝国)に合わせて、変わるのだ!日本らしさは必要ない、というカンジ。 新自由主義的「改革」ブームの始まりであった。新自由主義とは、政治経済的にネオコンの思想であろう。 こうした自由競争や労働者切り捨ての「グローバルスタンダード」は、サヨク的世界観とは対立するものであったのは言うまでもない。「国家の死滅」はやぶさかではないが、アメリカ帝国によるグローバルスタンダードの押し付けや覇権は、サヨクの世界観とは異なる。 最近では、「グローバルスタンダード」より、「グローバリズム」という言い方のほうが通りが良いだろう。 新自由主義とネオコンとグローバリズムは横一線で並んだ概念と言って良さそうだ。 さて、「グローバリズム」というのは、一般に、保守どちらかと言うと極右層と相性が悪そうだ。おそらく、国家の伝統的価値と両立しづらいからだろう。 だから、極右層はグローバリズムを忌み嫌う傾向が強いようだ。 面白いのは、極右層のグローバリズム批判は、サヨク批判と結びついている点だ。 このグローバリズムの源流はロシア革命だ!ということを言っている保守系の人達もいる。 https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1956 別に否定も肯定もする気はない。ユニークな意見だと思う。 トロツキーが、スターリンと対立していて、トロツキーは永続革命論とか世界革命論を唱えていたのは知っていた。永続革命論には、どこかロマンのある響きだなぁ、という印象であった。別にチャンと勉強したことは無かった。 一方、スターリンはサヨク的にも稀代の独裁者。イメージ最悪であった。サヨク業界で、このスターリニストめが!というのは最大級の罵倒であった。 世界革命路線を切り捨て、一国社会主義に舵を切ったのがスターリン。今風に言えば、スターリンは「反グローバリズム」だろうか? https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%84%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%A0 ともかく、保守派のグローバリズム観は、トロツキーの永続革命論や世界革命論がアメリカ帝国に渡り、そこで民主党左派に巣食って、進化を遂げたもの、ということらしい。左翼的だから、なおのことけしからん、というカンジだろう。 アメリカ帝国軍産複合体が目論むアメリカ帝国一極覇権はグローバリズムの一種であろう。 そして、ダボス会議とか、WEFはグローバリズムを推進する世界エリートの戦略会議で、そのうち「世界政府」を作り上げて、国家主権を取り上げることを目論んでいる、みたいな見解を読んだことがある。 アメリカ帝国民主党が軍産複合体の隠れ蓑であり、バイデンは軍産複合体の傀儡であることは事実であろう。 そうすると、アメリカ帝国軍産複合体が世界を牛耳り、覇権を握ることはグローバリズムの世界観からすると、必ずしも悪いハナシではない、ということになりそうだ。 民主党極左トロツキズムイデオロギーによる世界政府的なアメリカ帝国軍産複合体による世界支配。その完成の暁には、世界から国家や国境は死滅するのだろうか? アメリカ帝国軍産複合体が世界を統一する覇権的支配により、国家も国境も戦争もない世界が実現するのだろうか? 私はそうは考えない。 世界から国家をなくすより、好戦的覇権主義国家が無くなるほうがハナシは早いと考えている。 好戦的覇権主義国家はアメリカ帝国である。 私は、今は国家の死滅より、グローバリズムによる覇権的世界支配のほうがよほど問題が大きいと考えている。 だから、多極化した世界による国家間の協力協調によるチェックとバランスが大事だと考えている。 その意味で、スターリンとトロツキーの対立でいうなら、私はスターリニストなのである。複雑な心境ではある。最近、ある面では、極右のヒトに共感する自分がいる。 ネトウヨに共感する感覚はないが。 根本は反戦平和が切り口である。 No.22 18ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 青灯社・原稿・与謝野晶子とジョン・レノン「イマジン」の視点「君死にたまふことなかれ、旅... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
青臭いサヨク学生時代は、そんなものか、共産主義社会とは、国境がなくなるのだろうから、戦争もなくなるのだろう、スバラシイ世界だ、みたいに漠然と夢想していたものだった。
しかし、就職してから、組合活動家として、サヨク活動は続いていたが、働く中で資本主義を打倒する「革命」により、社会主義から共産主義に移行するということが実現する社会的客観的要件が見当たらないことには、早い段階で気付いた。
当たり前だが、一部のサヨクを除けば、世の中、革命を熱望する人はいるわけがない。
ということで、早々に私は日和って、現実主義路線に「転向」したのであった。
しかし、皮肉なもので、国家の死滅って、現実難しいよな、なんて、私自身漠然と考えていた頃から、「グローバルスタンダード」なる言葉が流行りだした。
「グローバルスタンダード」に反することは、改革しなければならない!と。世界標準に合わせないといけない。日本は世界(というよりアメリカ帝国)に合わせて、変わるのだ!日本らしさは必要ない、というカンジ。
新自由主義的「改革」ブームの始まりであった。新自由主義とは、政治経済的にネオコンの思想であろう。
こうした自由競争や労働者切り捨ての「グローバルスタンダード」は、サヨク的世界観とは対立するものであったのは言うまでもない。「国家の死滅」はやぶさかではないが、アメリカ帝国によるグローバルスタンダードの押し付けや覇権は、サヨクの世界観とは異なる。
最近では、「グローバルスタンダード」より、「グローバリズム」という言い方のほうが通りが良いだろう。
新自由主義とネオコンとグローバリズムは横一線で並んだ概念と言って良さそうだ。
さて、「グローバリズム」というのは、一般に、保守どちらかと言うと極右層と相性が悪そうだ。おそらく、国家の伝統的価値と両立しづらいからだろう。
だから、極右層はグローバリズムを忌み嫌う傾向が強いようだ。
面白いのは、極右層のグローバリズム批判は、サヨク批判と結びついている点だ。
このグローバリズムの源流はロシア革命だ!ということを言っている保守系の人達もいる。
https://wanibooks-newscrunch.com/articles/-/1956
別に否定も肯定もする気はない。ユニークな意見だと思う。
トロツキーが、スターリンと対立していて、トロツキーは永続革命論とか世界革命論を唱えていたのは知っていた。永続革命論には、どこかロマンのある響きだなぁ、という印象であった。別にチャンと勉強したことは無かった。
一方、スターリンはサヨク的にも稀代の独裁者。イメージ最悪であった。サヨク業界で、このスターリニストめが!というのは最大級の罵倒であった。
世界革命路線を切り捨て、一国社会主義に舵を切ったのがスターリン。今風に言えば、スターリンは「反グローバリズム」だろうか?
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%84%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%83%A0
ともかく、保守派のグローバリズム観は、トロツキーの永続革命論や世界革命論がアメリカ帝国に渡り、そこで民主党左派に巣食って、進化を遂げたもの、ということらしい。左翼的だから、なおのことけしからん、というカンジだろう。
アメリカ帝国軍産複合体が目論むアメリカ帝国一極覇権はグローバリズムの一種であろう。
そして、ダボス会議とか、WEFはグローバリズムを推進する世界エリートの戦略会議で、そのうち「世界政府」を作り上げて、国家主権を取り上げることを目論んでいる、みたいな見解を読んだことがある。
アメリカ帝国民主党が軍産複合体の隠れ蓑であり、バイデンは軍産複合体の傀儡であることは事実であろう。
そうすると、アメリカ帝国軍産複合体が世界を牛耳り、覇権を握ることはグローバリズムの世界観からすると、必ずしも悪いハナシではない、ということになりそうだ。
民主党極左トロツキズムイデオロギーによる世界政府的なアメリカ帝国軍産複合体による世界支配。その完成の暁には、世界から国家や国境は死滅するのだろうか?
アメリカ帝国軍産複合体が世界を統一する覇権的支配により、国家も国境も戦争もない世界が実現するのだろうか?
私はそうは考えない。
世界から国家をなくすより、好戦的覇権主義国家が無くなるほうがハナシは早いと考えている。
好戦的覇権主義国家はアメリカ帝国である。
私は、今は国家の死滅より、グローバリズムによる覇権的世界支配のほうがよほど問題が大きいと考えている。
だから、多極化した世界による国家間の協力協調によるチェックとバランスが大事だと考えている。
その意味で、スターリンとトロツキーの対立でいうなら、私はスターリニストなのである。複雑な心境ではある。最近、ある面では、極右のヒトに共感する自分がいる。
ネトウヨに共感する感覚はないが。
根本は反戦平和が切り口である。
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