記事へ戻る 中庸左派さん のコメント 中庸左派 大きな視点で見ると、この問題を考える上で問われていることは、日本社会のあり方の問題である。 即ち、政治家や権力者といった「上級国民」が法や規範を歪めて、自分たちだけに都合良い特権的コミュニティを形成しているのか?という問題。有り体に言うなら、権力における汚職腐敗堕落の問題。 更にポイントを絞ると、二つあると考えている。 ①政治家としての木原官房副長官の姿勢の問題、即ち政治責任。また、その延長に木原氏の周辺即ち政治、国会のあり方の問題。 ②もう一つは、「第4の権力」と言われるメディアのあり方、というより主流権威筋メディアの報道姿勢の問題。 ①については、捜査に対して木原氏が影響力を行使した、或いはしえたことは十分推定出来る。 それは、文春報道でのタクシー内での木原夫妻の会話に現れている。「俺が手を回しておいたから心配すんな」 また、捜査官の証言として、本来、一般人なら、取り調べの期限を指定することなど出来るハズがない。しかし、木原氏は「国会召集日までに取り調べを終わらせろ」と要求したという。木原氏による政治的圧力を伺わせる。 そして、突然、捜査打ち切り。 全体として、木原氏が国会議員、自民党幹部、政府要人であるがゆえの、ある種の「忖度」や法規範の捻じ曲げを十分に推認しうる経過である。 ところが、木原氏はダンマリを決め込むばかりで、説明を一切しない。公の場から姿を消した、という。それで官房副長官が務まるとは思えない。文春は、8月下旬に内閣改造があり、その中で事実上、木原氏更迭の予測を紹介していたが、無論、それで幕引きは許されない。 また、与党自民党を含めて、木原氏の政治的圧力の有無について、追及するべきではないか、と考えている。 殺人事件の真犯人は誰か?木原氏は政治的圧力をかけたのではないか?この問題が解明されなければ、日本の腐敗堕落は一層深まる。 もう一つの問題、②については、権力の監視という機能も、社会の木鐸という機能も、もはやメディアにはく、文字通りの「第4権力」として、特権的権力機構を下支えしているのみではないか? もっとも、正力松太郎や緒方竹虎といった連中を想起するなら、元々権力の下支えではないか、というお説ご尤も。 とはいえ、木原氏の妻を取り調べた元捜査官佐藤氏の記者会見は、毎日では、社会面でもない、地味な扱いであった。その後、ずっと朝刊社会面をチェックしているが、木原氏のキの字も掲載されていない。 しみじみ思うのは、この社会では、衰退しつつあるとは言え、新聞、テレビニュース(ワイドショー)で取り上げられないと、先ず、多数派B層の目に触れることはない。 勿論、思考力の欠如したB層が目にしても、そもそも思考力が欠如しているのだから、問題として認識されない可能性はある。 だが、新聞テレビの報道がなければ、なにも始まらない。つまり、問題が問題として浮上することなく、埋もれていくのみだ。被害が被害として、受け止められず、被害者は泣き寝入りするのみ。 それが浮世の定め、そんな他人事思考、ニヒリズムもアタマをよぎる。 しかし、それは間違いなく社会的モラルの崩壊だ。権力者だから、法規範を歪めて良い、特権的権力者コミュニティの構成員になれば、由らしむべし知らしむべからず、で良い、とはならない。 主流権威筋メディアの沈黙そのものが、この社会を歪めている。 木原氏の事案、そして安田さんの殺人事件の解明においては、日本社会の腐敗堕落が一層進行するのか、否かが問われている。B層を含む社会全体の自浄能力が問われている。そんなふうに、私は見ている。 No.5 16ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 木原事件まとめ(続)①木原内閣官房副長官が圧力をかけた可能性、②警察庁長官が事件性はない... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
中庸左派 大きな視点で見ると、この問題を考える上で問われていることは、日本社会のあり方の問題である。 即ち、政治家や権力者といった「上級国民」が法や規範を歪めて、自分たちだけに都合良い特権的コミュニティを形成しているのか?という問題。有り体に言うなら、権力における汚職腐敗堕落の問題。 更にポイントを絞ると、二つあると考えている。 ①政治家としての木原官房副長官の姿勢の問題、即ち政治責任。また、その延長に木原氏の周辺即ち政治、国会のあり方の問題。 ②もう一つは、「第4の権力」と言われるメディアのあり方、というより主流権威筋メディアの報道姿勢の問題。 ①については、捜査に対して木原氏が影響力を行使した、或いはしえたことは十分推定出来る。 それは、文春報道でのタクシー内での木原夫妻の会話に現れている。「俺が手を回しておいたから心配すんな」 また、捜査官の証言として、本来、一般人なら、取り調べの期限を指定することなど出来るハズがない。しかし、木原氏は「国会召集日までに取り調べを終わらせろ」と要求したという。木原氏による政治的圧力を伺わせる。 そして、突然、捜査打ち切り。 全体として、木原氏が国会議員、自民党幹部、政府要人であるがゆえの、ある種の「忖度」や法規範の捻じ曲げを十分に推認しうる経過である。 ところが、木原氏はダンマリを決め込むばかりで、説明を一切しない。公の場から姿を消した、という。それで官房副長官が務まるとは思えない。文春は、8月下旬に内閣改造があり、その中で事実上、木原氏更迭の予測を紹介していたが、無論、それで幕引きは許されない。 また、与党自民党を含めて、木原氏の政治的圧力の有無について、追及するべきではないか、と考えている。 殺人事件の真犯人は誰か?木原氏は政治的圧力をかけたのではないか?この問題が解明されなければ、日本の腐敗堕落は一層深まる。 もう一つの問題、②については、権力の監視という機能も、社会の木鐸という機能も、もはやメディアにはく、文字通りの「第4権力」として、特権的権力機構を下支えしているのみではないか? もっとも、正力松太郎や緒方竹虎といった連中を想起するなら、元々権力の下支えではないか、というお説ご尤も。 とはいえ、木原氏の妻を取り調べた元捜査官佐藤氏の記者会見は、毎日では、社会面でもない、地味な扱いであった。その後、ずっと朝刊社会面をチェックしているが、木原氏のキの字も掲載されていない。 しみじみ思うのは、この社会では、衰退しつつあるとは言え、新聞、テレビニュース(ワイドショー)で取り上げられないと、先ず、多数派B層の目に触れることはない。 勿論、思考力の欠如したB層が目にしても、そもそも思考力が欠如しているのだから、問題として認識されない可能性はある。 だが、新聞テレビの報道がなければ、なにも始まらない。つまり、問題が問題として浮上することなく、埋もれていくのみだ。被害が被害として、受け止められず、被害者は泣き寝入りするのみ。 それが浮世の定め、そんな他人事思考、ニヒリズムもアタマをよぎる。 しかし、それは間違いなく社会的モラルの崩壊だ。権力者だから、法規範を歪めて良い、特権的権力者コミュニティの構成員になれば、由らしむべし知らしむべからず、で良い、とはならない。 主流権威筋メディアの沈黙そのものが、この社会を歪めている。 木原氏の事案、そして安田さんの殺人事件の解明においては、日本社会の腐敗堕落が一層進行するのか、否かが問われている。B層を含む社会全体の自浄能力が問われている。そんなふうに、私は見ている。 No.5 16ヶ月前 Post このコメントは以下の記事についています 木原事件まとめ(続)①木原内閣官房副長官が圧力をかけた可能性、②警察庁長官が事件性はない... 孫崎享のつぶやき 元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。 » このブロマガへ
即ち、政治家や権力者といった「上級国民」が法や規範を歪めて、自分たちだけに都合良い特権的コミュニティを形成しているのか?という問題。有り体に言うなら、権力における汚職腐敗堕落の問題。
更にポイントを絞ると、二つあると考えている。
①政治家としての木原官房副長官の姿勢の問題、即ち政治責任。また、その延長に木原氏の周辺即ち政治、国会のあり方の問題。
②もう一つは、「第4の権力」と言われるメディアのあり方、というより主流権威筋メディアの報道姿勢の問題。
①については、捜査に対して木原氏が影響力を行使した、或いはしえたことは十分推定出来る。
それは、文春報道でのタクシー内での木原夫妻の会話に現れている。「俺が手を回しておいたから心配すんな」
また、捜査官の証言として、本来、一般人なら、取り調べの期限を指定することなど出来るハズがない。しかし、木原氏は「国会召集日までに取り調べを終わらせろ」と要求したという。木原氏による政治的圧力を伺わせる。
そして、突然、捜査打ち切り。
全体として、木原氏が国会議員、自民党幹部、政府要人であるがゆえの、ある種の「忖度」や法規範の捻じ曲げを十分に推認しうる経過である。
ところが、木原氏はダンマリを決め込むばかりで、説明を一切しない。公の場から姿を消した、という。それで官房副長官が務まるとは思えない。文春は、8月下旬に内閣改造があり、その中で事実上、木原氏更迭の予測を紹介していたが、無論、それで幕引きは許されない。
また、与党自民党を含めて、木原氏の政治的圧力の有無について、追及するべきではないか、と考えている。
殺人事件の真犯人は誰か?木原氏は政治的圧力をかけたのではないか?この問題が解明されなければ、日本の腐敗堕落は一層深まる。
もう一つの問題、②については、権力の監視という機能も、社会の木鐸という機能も、もはやメディアにはく、文字通りの「第4権力」として、特権的権力機構を下支えしているのみではないか?
もっとも、正力松太郎や緒方竹虎といった連中を想起するなら、元々権力の下支えではないか、というお説ご尤も。
とはいえ、木原氏の妻を取り調べた元捜査官佐藤氏の記者会見は、毎日では、社会面でもない、地味な扱いであった。その後、ずっと朝刊社会面をチェックしているが、木原氏のキの字も掲載されていない。
しみじみ思うのは、この社会では、衰退しつつあるとは言え、新聞、テレビニュース(ワイドショー)で取り上げられないと、先ず、多数派B層の目に触れることはない。
勿論、思考力の欠如したB層が目にしても、そもそも思考力が欠如しているのだから、問題として認識されない可能性はある。
だが、新聞テレビの報道がなければ、なにも始まらない。つまり、問題が問題として浮上することなく、埋もれていくのみだ。被害が被害として、受け止められず、被害者は泣き寝入りするのみ。
それが浮世の定め、そんな他人事思考、ニヒリズムもアタマをよぎる。
しかし、それは間違いなく社会的モラルの崩壊だ。権力者だから、法規範を歪めて良い、特権的権力者コミュニティの構成員になれば、由らしむべし知らしむべからず、で良い、とはならない。
主流権威筋メディアの沈黙そのものが、この社会を歪めている。
木原氏の事案、そして安田さんの殺人事件の解明においては、日本社会の腐敗堕落が一層進行するのか、否かが問われている。B層を含む社会全体の自浄能力が問われている。そんなふうに、私は見ている。
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