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中庸左派さん のコメント

 個人的には、私は停戦和平を求める立場なので、いかなる国も、ロシア、ウクライナ双方に武器支援することを支持しない。

 だが、アメリカ帝国が北朝鮮や中国に対して武器支援をするな、と圧力をかけることは、盗人猛々しいレベルの話で見苦しいことこの上ない。

 北朝鮮や中国、イランに「警告」する前に、アメリカ帝国よ、オノレが先ず武器支援をやめよ、というハナシだ。

 これは筋論として、言っておかなければならない。

 一般論でいうなら、ロシアと北朝鮮の戦略的協力は当然の流れである。

 その上で、では、一部ウクライナ応援団が、願望をこめて、まだまだ反攻はこれからだ!とか、いやいやウクライナは良くやってる。勝ってる!みたいな、言説が喧伝されているのが我が日本である。これらの言説が妥当かどうか、考えて見る必要があるだろう。

「23年の間に決定的な戦果がなくても、まだ焦る必要はない。」(篠田英朗)

https://agora-web.jp/archives/230903122435.html

「ウクライナ軍が6月初旬に反転攻勢を開始して以来、多くの西側主流メディアや相当数の軍事専門家は『ウクライナ軍の反攻作戦は遅い。失敗しているのではないか』と主張しているが、彼らの主張は的を射ていない」(渡部 悦和)

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/76728

 こうした言説を真に受けているB層も多いことだろう。

 では、実際の戦況はどうなのか?バランスよく、偏りない分析のための素材を集めてみた。

 先ずはNATO加盟国の指導者、ハンガリーのオルバーン首相。

「ハンガリーのオルバン首相は、ウクライナ軍がロシアとの紛争に勝利しているという、多くの西側メディアが宣伝している印象は真実ではないと考えており、それは不可能だと強調した。」

https://twitter.com/onlydjole/status/1697013822903497052

 ご存知の通り、ハンガリーはNATO加盟国だ。オルバーン
が上記発言をした意味は重い。また、つい最近、サルコジ元仏大統領は、①露のクリミア併合を覆すことは「幻想」②ウクライナは「中立」を維持しEU、NATO加盟をすべきでない、③露と仏は「互いを必要」と主張、と孫崎先生のブログに掲載された。要人の発言を軽々しく受け止めることは出来ない。

 次に、国際政治学者、シカゴ大学ミアシャイマー。

「負けるべくして負けた」と言い切っている。

https://mearsheimer.substack.com/p/bound-to-lose

 更に元軍人。

「退役米陸軍大佐ダグラス・マグレガーは月曜の放送で、ウクライナはロシアとの戦争に勝てていないだけでなく、同国軍は戦闘で40万人もの死者を出したと主張した。」
 https://www.newsweek.com/ukraine-not-winning-war-russia-lies-douglas-macgregor-1821690

 更にRTに寄稿されたロシアの軍事専門家。「NATOはもはやキエフのニーズを満たすことができず、ロシアは前線で優位に立っている」

https://www.rt.com/russia/582368-nato-ukraine-russia-front-lines/

 なお、RTは所詮ロシアメディアなどと偏見の目で見てはいけない。西側主流権威筋メディアは「大本営発表」である。非米側メディアの論調や報道を見ずに、バランスの良い妥当な分析にはゼッタイに辿り着かない。

 これもRTだが、西側の戦車はたいしたことないようだ。

https://www.rt.com/russia/582431-drone-footage-challenger-tank/

 SPUTNIKではウクライナにおける徴兵忌避の記事。

「代替メディアや一部の旧来の報道機関さえも、 NATOが支援する対ロシア代理戦争への徴兵をさらに募集する際にウクライナ当局が直面している困難が増大していることを報じている。」

https://sputnikglobe.com/20230903/millions-of-ukrainians-dodging-draft-to-avoid-certain-death-fighting-for-nato-1113096124.html

 これは西側、ちょっと前だが、スペインのメディアによるウクライナの砲弾枯渇に関する記事。「ウクライナ、10対1の大差で敗れる」

https://english.elpais.com/international/2023-03-01/ukraine-outgunned-10-to-1-in-massive-artillery-battle-with-russia.html

 西側メディアからも悲惨な負傷兵の報道。
 
「ウクライナは2万人以上の切断者を抱える未来に直面しており、その多くは前線で精神的外傷を負った兵士たちである。」

https://www.usnews.com/news/world/articles/2023-09-04/upward-of-20-000-ukrainian-amputees-face-trauma-on-a-scale-unseen-since-wwi

 さて、いかがであろうか?

 確かに、素人が極東の島国から正確なロシアによる特別軍事作戦の戦況を正確に把握することはムズカシイ。

 しかし、状況証拠はウクライナ不利を傍証している。ウクライナが事実上、NATO加盟不能となったことも一例だ。戦争の真っ只中に、汚職を理由にしろなんにしろ、国防相が解任されたのも不自然だ。なにより、ロシア軍がウクライナ東南部から、組織的に撤退しているという情報はゼロだ。

 それに加えて、多数の識者、専門家が戦況はロシア優位を唱えている。

>戦争予測が難しいことを示すとともに、こういうヒトの示す方向「のみ」を信じていたヒトは、ちょっとくらい反省したほうがいい。

 事実現実を直視出来ないウクライナ応援団は、多数のロシア優位説派を受け入れようとはしない。単に間違いを認めたくないからであろう。何れにせよ、矢野義昭氏をさして、「こういうヒトのみ」というなら、カンチガイも甚だしい。「大本営発表」に毒されすぎだ。
No.6
13ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。