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りゃんさん のコメント

昨日書いたメモから

1,ハマスによる攻撃開始から24時間を経ずして、英文のX(ツイッター)ではエジプトの諜報機関がある程度攻撃の情報をつかんでおり、イスラエル側に伝えていたという、いちおう論拠を示している書き込みがあり、ほぼ同時に、イスラエル側は全部知っていてわざとやらせたのではないかという趣旨の書き込みが見られた。新しい陰謀論の誕生に立ち会った瞬間だった。
陰謀論は否定できない。絶対そういうことがないかと言われて、絶対ないとまでは言えない。これが陰謀論の必要条件なので、今回の陰謀論も、たしかにそういう可能性もあるかもしれないね、としかいえない。しかし、今後陰謀論がこの問題を席巻してゆくのだろうとおもうと、多少鬱気分になる。
わたしの観察するところ、陰謀論にはまるヒトは、あらゆる陰謀論にはまる傾向がある。そこで、あらゆる陰謀論が正しいって妥当なのか、すべての事実と整合性がとれているのかというあたりからよく考えてもらうしかないとおもう。
なお、イスラエル側が攻撃の情報を甘く見ていたという見解は、ありうるとおもうし、現時点でスタンダードな説明になっているようだ。

2,真珠湾攻撃は、少数の民間人がまきこまれたという話も聞いたことがあるけれど、基本的には武装勢力が武装勢力を攻撃したのであり、これをハマスによる攻撃と同一視するのは、日本に対する冒涜である。日米戦争を通じて、非武装の民間人を多数殺したのは、米国のほうである。

3,武装勢力が非武装の民間人を殺したり誘拐したりするのは国際人道法違反である。ハマスがやってもイスラエルがやっても同じだ。ここがどうしてもわからないヒトもいるらしい。

4,イスラエルはガザの地上作戦をはじめようとしている。空爆も結果的に多数の民間人が巻き添えになっている。地上作戦をやめるべきだとすでに書いたが、空爆もやめるべきだ。ただし、ガザからイスラエルへのミサイル攻撃は、まだ完全に終わったといえるわけではない。
米英独仏伊首脳は、イスラエルと結束すると表現するのは良いとしても、イスラエルの国際人道法違反を容認するようでは、あっという間に批判の風向きがかわるだろうし、いずれは、米国でいえば、サウジ等の諸国との関係、さらには経済圏構想にも影響するだろう。
なお日本は、米英独仏伊とは明確に一線を画しており、いまのところ正しく進んでいるとおもう。

5,ハマスはパレスチナを代表していないし、ガザの人民も代表していない。パレスチナにはパレスチナ政府がある。9月の世論調査によれば、ガザ地区でのハマスの支持率は38%にすぎないし、72%はハマスによる統治は腐敗していると不満を抱いている。2006年から議会選挙もおこなわれていない。
アラブ連盟もサウジも中共もハマスを支持していない。かれらはパレスチナへの人権抑圧に反対しているのであり(国連も日本も同じ立場)、これはハマスを支持することと同じではない。
ハマスをガザの政府として承認するべきだというようなヒトは、まずパレスチナ政府に相談してみたらいいのではなかろうか。

6,こないだ紹介したエミン・ユルマズのXから
パレスチナ自治政府を含むアラブ諸国は中国によるウイグル人ジェノサイドに一言も文句を言いません。それどころか支援しています。チャイナマネーに買われているからです。パレスチナ問題が本当に宗教対立ならそうならなかったはず。ウイグル人もイスラム教徒ですから。
イスラムの教えにいかなる理由でも民間人を殺して良いというのがありません。これを唱えているハマス、ムスリム同胞団、へズボラ、エルドアンの公正発展党のようなテロ組織はイスラム教を汚しています。無念で仕方ありません。
No.21
11ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。