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中庸左派さん のコメント

 科学研究或いは理系分野については全くの門外漢。だから、印象論しかコメント出来ないのだが、素人の素朴な観点から、何点か述べたい。

①科学研究の質を支えるのは、やはり「お金」と「人材」だろう。

 人材という観点では、処遇の安定、給与の上昇という待遇面の問題も無視できない。

https://ten-navi.com/hacks/way-of-working-7179

 博士号を持っていても、非正規不安定雇用のままでは、研究どころではないだろう。 
 
 もっとも、横道にそれるが、町医者で博士号を持っている人を目にするが、町医者と博士号の釣り合いってなんだろうな、みたいな素朴な疑問もある。
 それはさておき、文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)の「科学技術指標2023」によると、「3.4.1学士・修士・博士号取得者数の国際比較」を見ると、自然科学分野では、日本の学位取得者はドイツ、フランスより多いようだが、「質の高い科学論文数の順位」では、独仏に負けている。
 学位の有無と研究の質に強い相関関係はない、ということだろうか?

https://www.nistep.go.jp/research/science-and-technology-indicators-and-scientometrics/indicators

 いずれにせよ、奥深い課題だ。それだけに、こうした状況は国家的見地と長期的見地から改善をする他無いだろう。

②子育て経験から言うと、そもそも日本の大学の学費は高すぎる。

 国公立から私大まで、全て学費が高いというのが私の正直な感想である。今は、私大は国公立の約2倍で、国公立大学の学費が文系4年間で250万くらいではなかろうか?私が大学生であった時代と比較するとかなり上がっている。バブル崩壊以後、傾向としては、平均年収はここ何十年も下がっている。

 これでは、一部の「恵まれた」子弟しか、難関有名大学入学のチャンスが得られない。大学はどこでもよいという考えを選択しないなら、競争は中学受験から始まる。
 塾にかかる費用、小中高と年間50万前後、小学校高学年から塾に入れれば、仮に8年間、毎年50万支出を続けたら、400万である。これに兄弟姉妹が加わることもあるだろう。
 更に、首尾良く大学合格したとして、居住他が地方、もっと言うなら、相当な田舎だったら、学費の他に家賃、仕送りといった費用が伴う。
 要は、親ガチャというのだろうか、保護者の社会的位置、年収入が子の大学入学機会を左右するというのが現実だ。
 高い教育関係支出に耐えられることが、高等教育を受ける上での条件なら、母子家庭の子が、難関有名大学に入る可能性は現実的に低いことは、十分に想定できる。
 塾代、高い学費の捻出、更に地方生活の不利も加わってしまったら、低所得層には、本人の能力と関係ない壁により、高等教育の機会を奪われることになる。

 高い学費、教育関係支出の問題は、志のある有能な人材発掘の妨げになり、多様な人材の活用による科学研究にも桎梏となっているのではないか?

 私は所得階層に関係ない教育機会の均等化も大事な課題だと考えている。
No.4
12ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
日本の研究はもはや世界クラスではない - その理由は次のとおり Japanese research is no longer world class ― here’s why ( GOOGLE 翻訳) 強力な労働力にもかかわらず、日本の研究は質の指標を低下させ続けてい る ( Nature ) 10 月 25 日に英語で発表された日本の文部科学省( MEXT )の報告書によると、世界最大級の研究コミュニティを有するにもかかわらず、世界クラスの研究に対する日本の貢献は低下し続けている。 東京の科学技術・学術政策研究所( NISTEP )科学技術予測・指標センター所長であり、 2023 年版日本の科学技術指標報告書の著者の一人でもある伊神正行氏は、次のように述べている。日本が世界的な地位を向上させるために検討できるいくつかの分野を強調する。 「現在の日本の研究環境は理想とは程遠く、持続不可能です。研究環境を整えなければなりません」と
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。