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中庸左派さん のコメント

>「ガザをドイツの罪から解放せよ」

 これは趣旨としては、よく分かる。なぜなら、「ドイツの罪」と、イスラエルによるパレスチナ人へのアパルトヘイト政策や、非人道的な集団懲罰とは関係ないからだ。

 「ドイツの罪」があるから、シオニストを支援しなくてはならない、というのは全く非論理的なハナシだ。

 戦後数十年も経過した今、戦争責任はあくまでも、抽象的なものであり、具体的な事柄ではない。被害者から、加害者側になんらかの請求があれば、政治的道義的に責任を負うべきもので、法的責任とは異なると考えている。

 従って、イスラエルによるガザ地区攻撃や迫害に「ドイツの罪」を見出す余地はない。ハマスとイスラエルの戦いにおいて、ドイツはあくまでも第三者である。ドイツが取るべき姿勢は道義や良識にそうものであるべきだ。

https://www.nybooks.com/online/2023/11/20/an-open-letter-on-the-misuse-of-holocaust-memory/

>ユダヤ国家はハマスとヒズボラの間の挟み撃ちに陥っており、より広範な戦争が起こる可能性がある。これはイスラエルにとって存亡の危機だ。

 この見解は、事実とズレている。イスラエルは今、少なくとも「存亡の危機」ではない。存亡の危機なのは、ガザ地区であり、パレスチナ人であり、二国家解決である。

 パレスチナ人は、ガザ地区やヨルダン川西岸地区から追い出されようとしている。まさに民族浄化である。そして、文字通りのイスラエルによる侵略植民地支配の貫徹である。

https://www.newarab.com/news/egypt-could-use-law-against-israel-gaza-expulsion-plan

https://new.thecradle.co/articles-id/11290

>ロシアとイランとの関与は失敗に終わった。これがベルリンからの見解である。これら二つの勢力は阻止されなければならず、それにはハマスの破壊も含まれる。

 そもそも、ロシアとイランについて、「これら二つの勢力は阻止されなければなら」ないのは、アメリカ帝国の論理であろう。ドイツはウクライナ戦争まで、ロシアと蜜月だったではないか。従って、この論者はアメリカ帝国への忖度がドイツがイスラエルを支持する理由である、といみじくも告白しているようなものだ。このあたりの事情は、勿論日本も同様だろう。

 いずれにせよ、第三国はあらゆる意味でイスラエルを支持する理由などあり得ないと考えている。

 
No.6
12ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。