• このエントリーをはてなブックマークに追加

中庸左派さん のコメント

 イスラエル株の空売りの報道に接して、まず考えたのは、戦争でボロ儲けするとはケシカラン、許せん、ということであった。言ってみるなら、「人の道」に反する、と。この前提には儲けたのは、ハマスでなく、インサイダー情報を入手したヘッジファンドら、金融資本家であろうということがある。

 しかし、よくよく考えて行くと「人の不幸」が飯のタネみたいな職業は山ほどある。良し悪しを言っても仕方ないカンジもする。実際、それで経済が廻ったりするだろう。帝国主義による植民地再分割戦争などは、経済拡大目当ての最たるものだろう。

 そこまで、悪質かつあからさまでなくても、武器メーカーも軍隊も、人の不幸の最たるものたる戦争を当て込んだ集団なのだから、人の不幸を飯のタネにしているのは間違いない。これとて、世間は国防は美徳みたいな価値観を受け入れているようだから、良し悪しを言い立てても仕方ない。

 「人の道」といったところで、漠然としすぎて、なにそれ?みたいな揶揄が飛んできそうである。さりとて、ある種の普遍性をよりどころにしなければ、この世はなんでもあり、或いは「万人の万人に対する闘争」としての自然状態に堕してしまうだろう。価値相対化もホドホドにする必要がある。

 では大上段に、自由民主主義と多数決、それに資本主義こそが正義である、と言い切れるか?というと、さすがにそれはない、いやゼッタイアリマセン!と言い切りたい。

 手垢がついた古臭い、自由民主主義と多数決、そして資本主義をゴミ箱に投げ捨てることが出来たら、どれだけ清々するか。これらは西欧的価値観であろう。そんなイデオロギーに、私は興味はない。

 このあたりの考え方に関連して、田中宇氏の論考「多極型世界システムを考案するロシア」は面白かった。

https://tanakanews.com/231204russia.htm

 世界が多極化するなか、西欧イデオロギーとは異なる新しい普遍性が形成される必要があるだろう。その際、我々西側の傀儡国の住民にとって大事なことは、まずは古臭い自由民主主義や多数決、資本主義に対する懐疑から始めることではなかろうか?

 私は若い頃からサヨクとして資本主義に根源的批判の目を向けてきた。だから、個人的には株取引をこれまでもこれからも一切する気はない。それは資本主義に魂を売る行為だと考えているからだ。

 従って、私はイスラエル株の空売りにより戦争をタネにして暴利を貪る行為を、やはり許せないのである。
No.7
12ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。