• このエントリーをはてなブックマークに追加

中庸左派さん のコメント

「イスラエル・ハマス戦争 国際司法裁判所、イスラエルに大量虐殺阻止を命じるも戦争停止は要求しない」1月26日のNYTの記事では、停戦命令が出なかった点を強調したようだ。

https://www.nytimes.com/live/2024/01/26/world/israel-hamas-gaza-news

 ただし、1月26日のMoon of Alabamaによると、停戦命令が出なかったから、イスラエルが殺戮を続けることが容認されたかというと、そうではないようだ。

「国際司法裁判所が一般的な停戦を命じると予想した法学者はいなかった。

なぜなら、国際司法裁判所の管轄権は紛争当事者の一方にしか及ばないからである。 一般的な停戦命令には、紛争当事国がすべて国家であり、ジェノサイド条約に署名していることが必要だ。 しかし、ハマスは国家ではなく、ジェノサイド条約にも調印していないため、ICJの管轄下にはない。

したがって、国際司法裁判所は停戦を命じなかった。

できなかったのだ。」

 しかし、実質的に裁判所はイスラエルに停戦を命じた、ということがMoAの見解であった。

 以下、MoAに掲載されていた判決文の一部。ただし、機械翻訳で法律文書のため、読みづらいことはご容赦いただきたい。

「裁判所命令の第 85/86 条には次のように書かれています。」として、「85. 裁判所は、ガザ地区の紛争のすべての当事者が国際人道法に拘束されることを強調する必要があると考える。同団体は、2023年10月7日のイスラエルでの攻撃中に拉致され、それ以来ハマスやその他の武装勢力によって拘束されている人質の運命を重大に懸念しており、彼らの即時無条件解放を求めている。
86. これらの理由から、
裁判所、
以下の暫定措置を示します。
(1) 15 票対 2 票で、

イスラエル国は、ガザにおけるパレスチナ人に関して 、大量虐殺の犯罪の予防及び処罰に関する条約に基づく義務に従い、本条の範囲内のすべての行為の実行を阻止するため、権限の範囲内であらゆる措置を講じるものとする。この条約の II、特に:(a) グループのメンバーを殺害する。(b) グループのメンバーに重大な身体的または精神的危害を与えること。」

 その上でMoon of Alabamaの著者は、次のように評価した。「法廷はイスラエルに対し、パレスチナ人の殺傷を防ぐためにあらゆる(!)措置を講じるよう明確に命じている。

簡単に言うと、裁判所はイスラエルに停戦を命令した。」

 一方、ブラジル人のジャーナリスト、ぺぺ・エスコバル氏は「南アフリカがシオニズムに勝利 」と評価しつつも、「ICJの決定には拘束力がある。しかし、ICJが、イスラエルは死傷者を防ぐためにあらゆる措置を講じ、パレスチナ人に人道的な必要性(食料、医薬品、インフラなどへのアクセスを含む)を全面的に提供しなければならないと決定したとしても、テルアビブが単に決定を無視したらどうなるのだろうか?イスラエルは、判決から1カ月以内に改善措置に関する報告書を提出しなければならない。 聖書の精神病理学を実践する人々がそれに従うかどうかは、すべての賭けのようなものだ。」とツイートしている。

https://twitter.com/RealPepeEscobar/status/1750865631958671835

 今後、注目すべきポイントに関しては、ハーバード大学法学部准教授のハイディ・マシューという人のこんなツイート。

https://twitter.com/Heidi__Matthews/status/1750866059995803725

「これらの暫定措置に基づいて、各国がイスラエルへの武器輸出を停止しなければならないかどうかについては、私の見解に留意されたい。 ここでは、国内法の詳細が重要になる。 最低限、各国は自国の武器がイスラエルに輸出されているかどうか、徹底的かつ透明性のある評価を行うべきである。

イスラエルがジェノサイドを含む国際犯罪を犯すために武器輸出を行う、あるいは行う可能性がある。 ジェノサイドの深刻な危険性があることを各国が公式に認識しているという事実は、このような状況下でジェノサイドを防止することは、武器輸出を停止することを意味するはずだ。」

 つまり、「米国、英国、ドイツなどが、さらなる大量虐殺を行うための手段(武器、弾薬、資金)をイスラエルに提供することを直ちに控えなければ、大量虐殺の共犯で告訴され処罰される可能性がある(ジェノサイド条約第3条)。」(Moon of Alabama)

 さて悪逆非道なアメリカ帝国らはイスラエルへの武器支援を止めるだろうか、注目したい。また、これもMoon of Alabamaの見解だが、「この命令はイスラエルの不処罰の終焉を意味する。それはまた、イスラエル支持者の不処罰の終焉でもある。」とすると、悪逆非道なアメリカ帝国(即ちイスラエル支持者)の覇権終焉の1ページを刻む事実だろうか?そうであるなら、少し溜飲が下がるのである。
No.9
8ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
国連の国際司法裁判所( ICJ )は 26 日、イスラエルに対し、パレスチナ自治区ガザ地区でのジェノサイド(集団虐殺)を防ぐためにあらゆる対策を講じるよう、暫定的に命じた。ただし、戦闘の停止は命じなかった。 この裁判は、イスラエルがガザ地区でジェノサイドを行っているとして、南アフリカが起こしたもの。南アフリカ政府は、判決が決まるまでの間、イスラエルに軍事行動を即時停止させるよう、 ICJ に求めていた。 一方のイスラエルは、南アフリカの主張には「全く根拠がない」と、訴えを否定している。 ICJ はこの日、 2 週間前に始まった裁判の一環として、初めて暫定措置を言い渡した。ジェノサイドを行ったかという疑惑の根幹については、判断を下すまで数年かかる可能性もある。 軍事活動の停止命令は出なかったものの、南アの訴訟を支持する層には、今回の暫定措置は勝利ととらえられている。 ICJ は今回、この問題について自分たちに裁判管轄権が
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。