中庸左派さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
WP ・ Ellen Nakashima 論評:中国との戦争に備え、海兵隊は戦い方を再構築、米軍はアジア各地の島々を巡る戦場で、自国の優位性を持つ敵軍(中国)との紛争に備えている Preparing for a China war, the Marines are retooling how they’ll fight 沖縄の進化 北へ約 1300 マイルのところに、 海兵隊の最新部隊である 第 12 海兵沿岸連隊を 11 月に創設 。 この連隊は、すでに在日米軍人が多数集中している沖縄に本拠を置く第 12 海兵連隊を再利用して設立されたもので、海兵隊は数十年前から地元社会との緊張の原因となっていた。 このユニットは、 沖縄の南西の島々から活動することを目的 としており、その最も近い島々は台湾から 160 マイル未満の距離。長年にわたり、 東京は軍事的焦点を 、冷戦の脅威がソ連の地上侵攻だった 北日本から南西の島々へと移してきた
>他の地方当局者らは米国の駐留をより歓迎しており、日本だけでは中国を抑止できないと主張している。
「抑止力」というのは、軍備増強や同盟=集団的自衛権には欠かせない論拠である。無法な敵に攻めてこさせないための反撃能力、痛い目あうぞ、やめておけ、みたいな暗黙の恫喝、ということだろう。
理屈としては、短絡的で分かりやすい。
しかし、現実には、国際関係に関する限り、ある日突然、他国を支配し、領土拡張を意図して「侵略」を開始した軍事大国なんてものは、実際には、第二次世界大戦以後、存在しなかった。
帝国主義による植民地分割のための侵略は終わった。
だから、他国の軍事「侵略」自体が、私は一種のフィクションだと、考えている。
これは、勿論、第二次世界大戦後に戦争がなかった、ということを言っているのではない。冷戦という体制選択をめぐるイデオロギー対立から、地域戦争や紛争が頻発したり、石油や宗教、地政学的対立を巡る局地戦争も沢山ある。
だが、一つ言えることは、それらの局地戦争は、帝国主義による侵略植民地支配のための戦争、即ち所謂「侵略戦争」ではない。
別の言い方をするなら、戦争になる理由と背景が問題なのであり、印象論で、どちらかの国が一方的に悪い、といった短絡的戦争観はとるべきではない、ということだ。要は事故における過失割合みたいなもので、10対0の場合もあるだろうが、6対4、4対6みたいなこともあるだろう。
戦争になるには、理由がある。だから、戦争当事者双方の言い分を聞き、その裏付けを取り、停戦和平に導くことが第三国の果たすべき役割だ。
そして、なにより戦争当事者にならない国作り、即ち戦争の種を撒かない外交政策が一番大事だ。
だから、私は「他国の軍事侵略」は、一種の空想、フィクションであり、それを第一に想定し、安全保障政策を進めことは戒めるべきだと考えている。過剰な軍事大国化のインセンティブに陥る恐れがある、と考えているからだ。
さて、以上は、私の安全保障政策に関する基本的考え方である。だから、「他国による侵略」を前提とする抑止力論そのものを疑っている。幽霊の正体見たり枯れ尾花、みたいな、無駄な過剰反応が抑止力論の本質だと考えている。
シカゴ大学のミアシャイマー教授は安全保障問題に関する「攻撃的現実主義者」として有名だが、ウクライナ問題では、ロシアに対するアメリカ帝国の拡張主義を批判しており、ウクライナ敗北を説く有力な論者だが、中国に対してはタカ派である。このため、以下のような批判があるし、私もミアシャイマー氏へ批判に同意する。
https://thediplomat.com/2015/03/mearsheimers-war-with-china/
https://responsiblestatecraft.org/2023/01/03/china-for-some-where-restraint-ends-and-hawkishness-begins/
最近では、中国への見方が軟化したようではある。
-----------引用ここから------------
中国はあらゆるレベルで国際政治に深く関与していると思うし、今の中国が考えているのは、むやみに揺さぶって他国と敵対しないことが最善だということだろう。 戦狼外交が裏目に出たという結論に至り、どちらかといえば別の方向に切り込み、ソフトパワーを強調したいのだと思う。 それは賢明な戦略だと思うし、自国の問題に対処するために強硬な外交戦略を取るとは考えにくい。
-----------引用終わり------------
https://oxfordpoliticalreview.com/2023/01/12/this-is-an-issue-that-makes-me-very-nervous-john-mearsheimer-on-the-us-china-rivalry/
それでも、ミアシャイマー氏は「米国と中国は互いに競争する運命にある。」と言いきり、次のように語った。
-----------引用ここから------------
米中競争を見てみると、潜在的な対立点は主に3つある:南シナ海、台湾、東シナ海だ。 台湾や南シナ海をめぐって戦争が勃発することは、はるかに想像しやすい。 これらの場所で戦争が起きても、何千もの核兵器を持った大軍が本土でぶつかり合うことはないだろう。 その意味では、戦争の可能性は高い。
-----------引用終わり------------
「何千もの核兵器を持った大軍が本土でぶつかり合うことはないだろう。 その意味では、戦争の可能性は高い。」
日本人としては、チョット、チョット、いい加減にしろ!みたいな発言ではないか?
平たく言えば、ジブンちでドンパチやらんですむから、ヒトんちの庭先でドンパチやるなら、可能性は高いぜ、みたいなハナシだ。
その意味で、日米同盟は抑止力どころか、日本を戦争に巻き込む装置でしかないことが分かる。
アメリカ帝国と同盟して、中国に勝つ、みたいな浅薄な思考回路では、自滅はまぬがれないのではないか?
Post