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中庸左派さん のコメント

本来なら、今は関係国が、ゼレンスキーに停戦和平をせよ、と圧力をかけるべき状況だ。だが、西側にはそんな空気は全くないし、まして日本のB層的言論状況に望むべくもない。

>ウクライナ軍は当面、大規模な攻勢を行う能力がないのは明らかだと思います。去年夏から秋にかけての反転攻勢で相当戦力を消耗していて、明らかに再編成が必要なんです。

これは小泉悠の論評である。日本国内で流通している典型的な見解。確かに、ウクライナの反転攻勢は失敗した、しかし、と。

つまり、ウクライナ反転攻勢失敗は枕詞に過ぎない。続けて、小泉は以下のように繋げる。

「兵器は増産できて足りているので、現場の1つ1つの局面でみると、おそらくロシア軍は依然として強いはずです。ただ、数の相乗効果をなすような組織化が、相当弱いんじゃないかというふうに私にはみえます。」

https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2024/03/01/38045.html

ロシアも弱い、ウクライナは負けていない、みたいな。

ま、この手の言説がまだまだまかり通っている日本の、自称「専門家」の分析レベルは押して知るべしだろう。

多様な、特にロシア側等の情報を照らし合わせて、海外のオルタナティブメディアの論調を知れば、大抵の常識人なら、日本の言説の低級さに唖然とするだろう。

以下はあまりにヒドイので笑ってしまうレベルだが、面白いから引用してみた。「ウクライナ国防省では、今回の発表に先立ち、2024年3月ぶんの戦果も発表していますが、わずか1か月で976門の火砲(自走砲含む)を破壊したと明言していました。」

https://news.yahoo.co.jp/articles/851054150971c2ff2f1d9590d63440b14c21a9a9

一方、4月4日のMoon of Alabamaは題して「ウクライナ軍はもはや機械化されていない」であった。これを見ると以下の記事を参照できる。

https://militaryland.net/news/153rd-mechanized-brigade-is-no-longer-mechanized/

要は、第三者の多様な見方、一方的なウクライナのみの主張のみならず、ロシア側のメディアを参照するなどの姿勢が大事だ。これは当たり前のリテラシーだが、日本のB層、日本の言論空間には著しく欠如している。

以下のようなトホホな人もいるが、現実にはウクライナ人の死者を日々増やす言説に与しているわけで、その罪深さは、トホホ、ではすまないのである。
https://www.jiji.com/jc/v8?id=20230317seikaiweb

募金も含めて愚かなる善意と凡庸な悪は表裏をなしているのだろう。
No.9
7ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
悪化する戦争から抜け出す方法がない中、ゼレンスキー大統領の選択肢は悪いものか、一段と悪いものの様だ With no way out of a worsening war, Zelensky’s options look bad or worse ( WP ) ロシアが空爆を強化し、 2 年以上血なまぐさい侵略を続けてきたウクライナの戦場に再び前進する中、戦闘の終わりは見えていない。そして、 ゼレンスキー大統領が次に何をすべきかの選択肢は、戦争に勝つ方法はほとんどなくてあるのは悪い選択か、一段と悪くなるものである。 ゼレンスキー大統領は 、ウクライナは 2014 年以来ロシアが支配してきた土地を含む 全領土の返還以外の何ものも受け入れないと述べた。 しかし、戦線は昨年ほとんど変化しておらず、ロシアが現在占領している ウクライナ東部と南部の地域、国土の約 20 パーセントを軍事的に奪回する可能性はますますあり得なく( incre
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。