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中庸左派さん のコメント

この記事の面白い点は、或いは問題な点は語られないワードにあると思う。

それは、多極化やBRICS、グローバルサウスである。

中露の共同声明には、この用語が頻繁に出てくる。

https://www.chinanews.com.cn/gn/2024/05-16/10217948.shtml

https://www.globaltimes.cn/page/202405/1312477.shtml


しかし、CNNの記事には、全く触れられていない。これも、「半ポスト真実」現象だろう。因みに、この概念は在野の研究者である嶋崎史崇氏が提唱しているもので、定義は次の通りである。

------------引用ここから--------------

まずは大多数のメディアが、本当は専門家の間でも複数の見解が対立する問題について、半面または片面から見た見解を伝え続けることで量的に圧倒し、それに対立する少数だが有力な根拠ある見解・見方があたかも存在しないかのように演出する。そうすることにより、メディアが純然たる嘘をついたり、虚偽情報を捏造したりしているわけではなくとも、両方の見方を知る人から見れば、実像から懸け離れた偏向した言論状況が出現する、という事態
(嶋崎史崇著『ウクライナ・コロナワクチン報道にみるメディア危機』、本の泉社)

------------引用ここまで------------

中露の背後には、西側アメリカ帝国らを圧倒する、グローバルサウスという世界的マジョリティが存在することを語らないと、本当に起こっている世界的潮流はわからない。

CNNの描き出す世界観は、中露対アメリカ帝国という、冷戦の焼き直しにしか見えない。しかし、現実に起こっている事態は、グローバルサウスの国力が増大し、アメリカ帝国らが押し付ける「ルールによる秩序」では、統制不能になっている、ということだ。これが多極世界だ。

多極世界では、軍事同盟や軍事ブロックによる覇権競争は時代遅れになる。「冷戦」はやはり古い。一極覇権が通用しないからだ。これは私の勝手なイメージだが、相互に文化や文明を尊重しながら、主権国家による緩やかな協力関係に基づく国際秩序が多極世界ではないか?

この多極世界を否定する一極覇権主義がアメリカ帝国の基本方針だろう。だから、アメリカ帝国のメディアは、多極化とか、グローバルサウスを無視するのだ。

そして、日本人には、グローバルサウスは学術用語ではない、とかわけのからないことをいう学者とか、多極化という国際世界トレンドもしらないB層で溢れている。

日本の知的劣化はヒドイ。
No.5
6ヶ月前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。