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中庸左派さん のコメント

キホン的に日銀の利上げについては私は懸念している。マクロ経済的に言うなら、利上げは日本国債価格の下落につながる。国債の含み損の発生や、利払い増加は日本財政に赤信号を点さないか、懸念している。また、大企業はともかく、体力のない中小企業の借り入れを圧迫するのではないか?

元はと言えば、異常な円安の進行を食い止める趣旨があっての日銀の利上げ決定であったろう。それは、ドル高即ちアメリカ帝国のドル覇権をよいことにした身勝手な金融政策の余波を受けた形だ。しかも、大量に保有するアメリカ帝国国債を売ることも許されず、円キャリートレードによりヘッジファンドを大儲けさせた。

日銀が利上げに踏みきったことで、ヘッジファンドの濡れ手で粟のぼろ儲け手法が断たれ、株価暴落の引き金になった。ま、ヘッジファンドの大損は知ったことではない。

だが、同時にこの株価暴落により名もなきB層あるいは素人投機家は大損を被ったことだろう。私は関係ないが、庶民目線では同情はある。だから、言ったでしょ、と。株は博奕だ、と。

それに加えて、庶民目線で重要なのは、住宅ローン。私は関係ないが、変動金利で長期ローンを組んでいる若年子育て世代には、寝耳に水の不安要因になるのではないか?

この点では、私は若年子育て世代の行く末を案じている。

しかし、人生の名もなき先輩の立場から、「上から目線」を恐れずに若者にアドバイスするなら、安易に不動産を買うべきではない、ということだ。

ここで、何が「安易」か?ということだが、よく「子供が生まれたからスグ、不動産購入」みたいなムキがいる。これを安易ではないか?と見ている。

何故なら、これまでの変動金利の利率は、今回の利上げでハッキリしたように、そもそも【異常】なのだ。【異常】な利率が、永遠に続くかの錯覚を持って、安い利息に飛び付いて長期住宅ローンを組むことは、私には「安易」な姿勢にしか見えない。

そして、子供が、例えば小学校に上がる前、即ち幼児期に広い家は必要か?

個人的に言うなら、子供から目が離せない時期は、狭い家のほうが良い、と考えてきた。その上で家賃を払いながらも、住宅購入資金をコツコツ貯めるほうが、合理的ではないか?

ここで、家賃と言っても、必ずしも高いとは限らない。都心のど真ん中でない、職場まで1時間圏内くらいの郊外なら、ファミリータイプの間取りで10万円以下の物件はいくらでも見つかる。日本は人口減少だし、都市部に空き家も目立つ。従って、都市近郊の不動産需要は低下傾向とみたほうが良い。だから、家賃相場も下降傾向だと考えられる。

だから、共働きにしても、働き手1人でも、十分安い物件をさがして、浮いた分は持ち家購入資金にしたら良い。

そして、住宅ローンの金額を出来るだけ少なくしたら良い。長期ローンであればあるほど、利息返済は嵩む。その意味でも、住宅ローンを組むなら、出来るだけ短期で、借り入れ額を減らすのは鉄則ではないか?

ある意味で、「ゼロ金利」政策に慣れすぎて、住宅ローンに関する日本人の感覚は麻痺していないか?心配である。特に子育て世代達の。子育ては、長く遠くリスクの多い道のりである。己の才覚で、最悪を常に想定して、リスクをヘッジすることが現役世代には問われている。思うに、住宅ローン返済は、人生の最大の「リスク」だろう。

私は、必ずしも利上げ論者ではないが、とはいえ、「ゼロ金利政策」が持続可能とも、正直思えない。

ともかく、庶民目線で言うなら、借り入れをするなら、利息リスクがあるのが普通であるから、どのようにそのリスクヘッジをするか、庶民がジブンのアタマで考えないといけない、状況になったと考えている。「安易」な借り入れはするべきではなかろう。
No.3
2週間前
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孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。