A-1変動型住宅ローン金利上昇へ、連動する短プラを3メガ銀が17年ぶりに引き上げ年1・625%に(読売、2日)
三菱UFJ、三井住友、みずほの3メガバンクは今秋以降、住宅ローン金利(変動型)を引き上げる見込みだ。3行が2日、変動型の金利を左右する「短期プライムレート(短プラ)」を年1・625%と、約17年ぶりに引き上げ、住宅ローン金利を動かす準備も整ったことになる。インターネット銀行は先行して引き上げており、消費者への影響も出始めている。
メガバンクや地方銀行が手がける住宅ローンの変動型金利は短プラに連動している。短プラに1%程度を上乗せした基準金利に、顧客の信用度などを踏まえて優遇幅を決め、最終的な金利を算出している。
3メガバンクは短プラを、日本銀行が7月末に決めた政策金利の引き上げ幅と同じ0・15%分だけ上げた。日銀が長年、政策金利をゼロ近辺にしていたため、短プラはこの間、横ばいで推移
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雇用を重視すれば、共生=シェアリングが経済を支配し、物価は安定するが、経済の活性化は期待できない。金融緩和の時代が長く続いてきた。当然金利はないに等しい社会主義経済が支配していた。
就業人口減少社会では、雇用が逼迫し、賃金を上げざるを得ない。物価も上がるというより上げざるを得ない。当然経済が活性化して金利を上げざるを得ない。
物価が安定して、安定した生活ができていたか、質素倹約から離れ浪費して預貯金ができていないかどうか。様々な理由により預貯金できなかった人もいるが、マクロで考えれば前者が多数でしょう。
家庭であろうが、企業と同じように、例外的事例は除いて、生活の「ムリ、ムダ、ムラ」の排除が日常的にできているかどうかが大きな分かれ道になっている。
現在自民党の総裁選が行われている。積極財政の保守派と緊縮財政のリベラルに分かれるが、マスコミは財務省側に立って緊縮のリベラルを応援している。雇用を重視し低金利積極財政の保守派を排除して緊縮財政増税派のリベラルを支持しているが、本稿は住宅ローンの金利アップを問題視している。ただ、経済原則を無視したいいとこどりの主張はできないことを銘記すべきでしょう。
膨れ上がった金融資産と実体経済の乖離を縮小するため、米国ではラーメン1杯が3千円というように、インフレをコントロールしているように見える。実体経済(世界総GDP)の10倍と言われた金融資産も、インフレで値段が3~4倍になれば、金融資産は実体経済の3倍近くまで下がる。もちろん、広がった貧富の差はそのままだが。
日本の財務省も、インフレを容認して、1000兆円以上ある国の借金を実質400兆円以下にする方針を決めたと思われる。インフレをコントロールするためには、公定歩合・利子の融通性が必須である。
ベルギーから帰国した友人が、地元従業員の給与はインフレ率に連動していると言っていた。給与・年金だけでなく、中小企業の売値、親会社の買値も、インフレ率に連動する必要がある。
キホン的に日銀の利上げについては私は懸念している。マクロ経済的に言うなら、利上げは日本国債価格の下落につながる。国債の含み損の発生や、利払い増加は日本財政に赤信号を点さないか、懸念している。また、大企業はともかく、体力のない中小企業の借り入れを圧迫するのではないか?
元はと言えば、異常な円安の進行を食い止める趣旨があっての日銀の利上げ決定であったろう。それは、ドル高即ちアメリカ帝国のドル覇権をよいことにした身勝手な金融政策の余波を受けた形だ。しかも、大量に保有するアメリカ帝国国債を売ることも許されず、円キャリートレードによりヘッジファンドを大儲けさせた。
日銀が利上げに踏みきったことで、ヘッジファンドの濡れ手で粟のぼろ儲け手法が断たれ、株価暴落の引き金になった。ま、ヘッジファンドの大損は知ったことではない。
だが、同時にこの株価暴落により名もなきB層あるいは素人投機家は大損を被ったことだろう。私は関係ないが、庶民目線では同情はある。だから、言ったでしょ、と。株は博奕だ、と。
それに加えて、庶民目線で重要なのは、住宅ローン。私は関係ないが、変動金利で長期ローンを組んでいる若年子育て世代には、寝耳に水の不安要因になるのではないか?
この点では、私は若年子育て世代の行く末を案じている。
しかし、人生の名もなき先輩の立場から、「上から目線」を恐れずに若者にアドバイスするなら、安易に不動産を買うべきではない、ということだ。
ここで、何が「安易」か?ということだが、よく「子供が生まれたからスグ、不動産購入」みたいなムキがいる。これを安易ではないか?と見ている。
何故なら、これまでの変動金利の利率は、今回の利上げでハッキリしたように、そもそも【異常】なのだ。【異常】な利率が、永遠に続くかの錯覚を持って、安い利息に飛び付いて長期住宅ローンを組むことは、私には「安易」な姿勢にしか見えない。
そして、子供が、例えば小学校に上がる前、即ち幼児期に広い家は必要か?
個人的に言うなら、子供から目が離せない時期は、狭い家のほうが良い、と考えてきた。その上で家賃を払いながらも、住宅購入資金をコツコツ貯めるほうが、合理的ではないか?
ここで、家賃と言っても、必ずしも高いとは限らない。都心のど真ん中でない、職場まで1時間圏内くらいの郊外なら、ファミリータイプの間取りで10万円以下の物件はいくらでも見つかる。日本は人口減少だし、都市部に空き家も目立つ。従って、都市近郊の不動産需要は低下傾向とみたほうが良い。だから、家賃相場も下降傾向だと考えられる。
だから、共働きにしても、働き手1人でも、十分安い物件をさがして、浮いた分は持ち家購入資金にしたら良い。
そして、住宅ローンの金額を出来るだけ少なくしたら良い。長期ローンであればあるほど、利息返済は嵩む。その意味でも、住宅ローンを組むなら、出来るだけ短期で、借り入れ額を減らすのは鉄則ではないか?
ある意味で、「ゼロ金利」政策に慣れすぎて、住宅ローンに関する日本人の感覚は麻痺していないか?心配である。特に子育て世代達の。子育ては、長く遠くリスクの多い道のりである。己の才覚で、最悪を常に想定して、リスクをヘッジすることが現役世代には問われている。思うに、住宅ローン返済は、人生の最大の「リスク」だろう。
私は、必ずしも利上げ論者ではないが、とはいえ、「ゼロ金利政策」が持続可能とも、正直思えない。
ともかく、庶民目線で言うなら、借り入れをするなら、利息リスクがあるのが普通であるから、どのようにそのリスクヘッジをするか、庶民がジブンのアタマで考えないといけない、状況になったと考えている。「安易」な借り入れはするべきではなかろう。
1989年のバブルの崩壊で日本の銀行は破綻しました。その再生と経済低迷克服のために安部のミックスという異次元の日銀による財政支援が展開されたが失敗に終わったのです。米連銀の量的緩和もそうだが、それと同質の日銀の異次元のマネサプライも経済成長を達成することが出来ないばかりか貧富の差を拡大するばかりだということが証明されています。日本も米国も金利のある経済に戻り商業銀行はキャピタルゲインによる収益を止めて長短ミスマッチによる利ザヤ確保を目指すべきだと言うことでしょう。
ただ、日本の場合、財政赤字が天文学的に膨れ上がってます。金利のある世界を目指すと政府の資金調達コストが膨大となり、このままいけば行き詰まります。私が危惧するのは財政破綻処理を戦争することにより正当化するみたいなことが今後起こることです。政治家も役人ももっと勉強して真面目につまり戦争に訴えることなく財政金融問題に取り組んでもらいものです。