りゃんさん のコメント
このコメントは以下の記事についています
A-1 日経「エンゲル係数、 42 年ぶりの高水準 家計支出の 28% に」 消費支出に占める食費の割合が上がっている。 2024 年 1 〜 8 月のエンゲル係数( 2 人以上世帯)は 28.0% と、年平均と比較すると 1982 年以来の高い水準 となった。 9 月の消費者物価指数では米類が 44.7% 上昇と 49 年ぶりの伸びだった。 食料物価の上昇が家計を圧迫し、消費下押しの一因 になっている。 年収 1000 万〜 1250 万円の世帯の 1 〜 8 月のエンゲル係数は 25.5% だった。年収 200 万円未満の世帯は 33.7% と、年収別では最も大きい比率だった。食費上昇は低所得世帯に響く。総務省の担当者は、物価高を受けて 「野菜や果物、肉類で購入数量を控える動きがある」 と指摘する。 データが遡れるなかで最も古い 1963 年ごろは高度経済成長期で、国民が豊かになり可処分所得が増えていったためエンゲル係数も低下傾向だった。その後 2010 年代からじわじわ上昇し 、
「編集者」(ふたつの記事を並べた人)のおもうがままに誘導されていきますね。
いろんな問題で言えることですが。
ほんとうに貧困なら、スーパーでウナギなど買わなくなるだろうし、もっと貧困なら、
ご飯と味噌汁だけの食事になることでしょう。
記事にも「食料物価の上昇が家計を圧迫し、消費下押しの一因」とあるので、
食料物価の上昇がたしかにエンゲル係数上昇の原因のひとつであることは間違いないことでしょうが、
一因というからには、ほかになにが原因なのか。
記事中には
===
第一生命経済研究所の熊野英生氏は「原材料高のペースが鈍化してもエネルギーコストや人件費の上昇におされ、値上げが常態化しつつある」と指摘する。
===
とあり、人件費上昇も原因のひとつであることが見て取れます。その背景には、中食・外食が20世紀にくらべて普通になり
中食・外食にかかる費用がもろに食費に反映する事情が指摘できます。さらにその背景には高齢化や独身化のために、
自炊が減ったという事情を指摘できるかもしれませんね。ですから20世紀のエンゲル係数といまと、かんたんに比較はできないとおもいます。
記事中にある「生活意識に関するアンケート調査」には、
https://www.boj.or.jp/research/o_survey/data/ishiki2410.pdf
「1年前と比べて、支出を増やしたものについては、「食料品」との回答が最も多
く、次いで「日用品(洗剤、雑貨等)」、「自動車(ガソリン等、維持費用は含まな
い)」が多かった」
とあり、また、
「1年前と比べて、支出を減らしたものについては、「外食」との回答が最も多
く、次いで「衣服、履物類」、「旅行」が多かった」
とあります。つまり、食料品価格があがったので(これは事実)、外食をはじめとして減らしたものがあると。
そして、総合的には、
「「物価と収入がともに緩やかに上昇する状態」と「物価と収入がともにほとん
ど変動しない状態」では、暮らしにとってどちらのほうが好ましいかを尋ねたと
ころ、「物価と収入がともに緩やかに上昇する状態」と回答した人の割合は4割
台後半となった」
というわけですから、外食・昼食産業に従事する労働者の人件費が上がっていくのは、わるいことではないわけです。ひとりあたりGDPにも反映されますしね。
Post