中庸左派さん のコメント
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主催:中国社会科学院国家全球戦略智庫( National Institute of International Strategy, CASS )と Daily China 共催 日時:10月24日 場所:北京、北京飯店 使用言語、中国語、英語 基調演説;ジルマ・ルセフ・ブラジル前大統領(予定、15分) 第一セッション 大国間関係と世界の将来: Thornton 元米国国務次官補代理、 Acharya アメリカン大学教授、 Snower 独研究所所長、 JISI 北京大学教授 第二セッション 世界統治と大国の責任:孫崎享・東アジア共同体研究所所長、 Voitolovsky IMEMO 所長、 Wachira 世銀元エコノミスト・ケニア、 Qin Yaqing (秦亜青 山東大学主席教授。それ以前は、秦氏は中国外交大学) 私の主張点 ・購買力平価ベースでは、中国は米国を抜く。 G7 ・7か国の合計は、非 G7 7か国合計を上回る。 ・かつ自然
一方、国内世論は「大本営発表」に毒され、思考停止した旧態依然たる「冷戦」思考から抜け出せていないムキが多く、残念です。
曰く、"アメリカ帝国と同盟して、中国に勝つ"、だとか、日米相互防衛条約のような、冷戦の遺物まで持ち出して、アメリカ帝国にすがる拝米思考に日本人は未だに根深く毒されています。
ありもしない中国、ロシア、北朝鮮の脅威が喧伝され、アメリカ帝国のガラクタ兵器を前払いのあるとき納品みたいなフザケタ形式で買わされ、国民の血税は浪費されるばかりです。
しかし、先生がおっしゃるように、「グループBの有力な理念として考えられるのは、平和の5原則-領土保全と主権の相互尊重、相互不侵略、相互内政不干渉、相互利益のための平等と協力、平和共存-である。」ということが、グループB即ち、非米側の事実現実であると私も受け止めております。
世界は原爆投下による広島、長崎の悲劇を記憶しています。ホロコーストの悲劇も含めて、基本的には侵略植民地支配を超克して、今日の世界がある、と信じています。また、30年も前にイデオロギー対立、国家体制の対立としての冷戦は終わりました。
にもかかわらず、何故、NATOが存続し、日米同盟を続けてきたのか?中国やロシア、北朝鮮が脅威だと喧伝されるのか、この不合理、非論理を我々は本来深く考えるべきでしょう。
私はこの不合理、非論理は偏に同盟の外に敵を作らなければならないアメリカ帝国軍産複合体の利益を洗脳された結果であると考えています。
核武装論を正当化する論拠にアメリカ帝国の核の傘は存在しない、というものがあります。孫崎先生は何年も前から、東アジアにおけるアメリカ帝国の軍事的優越はなくなっている、とご指摘されています。
そうした事実現実を前提として、加えて中国、ロシア、北朝鮮が真に脅威と考えるなら、日本に対して中国、ロシア、北朝鮮が、とっくのムカシに攻め込んで来ていてもオカシクナイ、というのが、論理的帰結です。
しかし、事実現実は全くそんなことはありません。
ですから、私は核武装論も、中国、ロシア、北朝鮮脅威論も事実現実において破綻していると考えています。
世界の安全保障は、事実現実として、核抑止力や軍事力とは異なる論理によりバランスしている、という点にもっと注意を向けるべきです。例えば、東アジア共同体構想、経済的協力関係、平和友好条約といったソフトな信頼関係の構築にもっと目を向けるべきです。
ですから、防衛費増額は言語道断の愚行です。
「大本営発表」を軽信し、中露北朝鮮の脅威を鵜呑みにするB層は、ロシアのウクライナ「侵略」や、ハマスの「テロ」を言い立てる傾向があります。しかし、こうした浅薄な見解は、事実現実としてのそれ以前のウクライナ軍やネオナチ民兵による露系ウクライナ人虐殺=内戦、イスラエルによるパレスチナ人抑圧虐殺を、単に知らないか、無視しているから生じます。つまり、間違った或いはご都合主義的見解です。
侵略植民地主義の超克や、核戦争の悲劇を記憶している世界において、現代の戦争は理由もなく始まるものではなく、虐殺から人々を守るとか、抑圧から人々を解放するために、やむにやまれず始まってしまうこともあるでしょう。だからこそ、我々は「大本営発表」ではなく、双方の言い分を聞き、事実現実から合理的論理的に考えなくてはなりません。
従って、ありもしない中露北朝鮮の脅威、なんの理由もなく、攻め込んでくる敵国みたいなマンガ的かつステレオタイプな脊椎反射的思考は厳に慎むべきです。
私は孫崎先生のご発言が、このB層ばかりの日本にあっても、良識を体現する灯として、多くの心ある外国の方々の共感を持って受け止められるものと確信しております。
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