oldjapさん のコメント
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米国で今、民主主義が機能しているかの議論が盛んに行われているようである。国民全体のシステムではなく、富める者、金融界その利益を追求するシステムになってしまっているとの懸念である。下記は Has democracy had its day? by Mark Mazower 、 Prospect の主要点である。
・約一世紀前、ウイルソン大統領は「世界を民主主義のために安全にする( “safe for democracy.” )」と言って第一次大戦に参加した。しかし民主主義が正確に何を意味するかには簡単な答えがない。自己管理型国家なのか、戦争屋のためのベイルなのか。スターリンは人民民主主義を言い、ナチは反議会主義的バージョンを持っていた。
・ギリシアのバージョンもある。
・米国の独立宣言や憲法に民主主義の言葉はない。植民地時代のアメリカでは民主主義にほとんど遭遇しない。
・19
古代ローマのアゴラにおいて政治論の中心にいたのは有資格の市民だけであり、奴隷の発言は無視された。
英国におこった近代民主主義において、民主主義の実践者として王に対抗したのは貴族と地主、富裕な土地持ちの農民、商人だけであり、小作人や都市の下積み市民には代表を選ぶ権利すらなかった。
さらに、その英国に謀反を起こし、やがって独立を果たした北米大陸の植民地においても、投票権は国民全体ではなかった。
今のように、ほとんどの国民に投票権が認められたのは20世紀以降である。全国民に投票権を与えれもうまく機能するかどうかという問いに対する答えは歴史には見つからない。国民の大多数は、社会全体を見渡し、合理的な結論(たとえば原発は是か非か、軍備は必要か不要かなどの答え)を導くための知識もほとんど持っていない。そんな状態でどうして民主主義が働くと思うのか。不思議である。
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