tako2008さん のコメント
このコメントは以下の記事についています
軍人で日本を負けると予言した人はいなかったのでしょうか。問題多い人ですが、石原莞爾は「負けますな」と述べています。
軍人で特異な立場に立っていたのが石原莞爾です。「帝国陸軍の異端児」の渾名のあった人です
真珠湾攻撃への道は様々な出来事が積み重なってできてきますが、その重大な節目が 1931 年の柳条湖事件です。
満州の奉天(現在の瀋陽市)近郊の柳条湖付近で、日本の所有する南満州鉄道(満鉄)の線路が爆破された事件です。関東軍はこれを中国軍による犯行と発表し、満州における軍事展開およびその占領の口実として利用しました。これを実行したのが日本軍で首謀者は、関東軍高級参謀板垣征四郎大佐と関東軍作戦主任参謀石原莞爾中佐というのが有力です。
ところが、石原莞爾は真珠湾攻撃の直前、東條英機等の政策を厳しく非難しています。
石原莞爾と仙台幼年学校、陸軍士官学校、陸大で同期だった横山臣平
それで、やはりそういった「見識」や「哲学」の差が、目には見えない、
理屈にできないところで、大局に影響してくることがある。
その良い例が、ウクライナ問題だと思っています。
問題が深刻化した原因は、欧米側に「自制」ができなかったこと。
そして、「自制の必要性」を自覚するためには、相手への理解や配慮、
ウクライナの歴史、冷戦時代の失敗に学ぶ、などといった、一見すると
国益とは無関係に思える、「見識」や「哲学」が必要になります。
ご存知の通り、ウクライナ政変は、米国の覇権を維持しようとする
好戦派のネオコンと、近視眼な戦略家達によって引き起こされました。
彼らの頭の中にあるのは、短絡的な「利益と覇権の追求」のみ。
これに対して、90歳になるキッシンジャー博士は、
別の視点から異議を唱えている。
<プーチンは大国主義・拡張主義の権化だろうか? >
http://www.ne.jp/asahi/nd4m-asi/jiwen/thoughts/2014/589.html
下記に要約します。
・ウクライナはロシア発祥の地であり、西側は、ロシアにとって
特別な地であることを理解しないといけない
→(つまり、ウクライナを奪われると、ロシアは激怒する)
・ウクライナは国としての歴史が浅く、指導者には妥協することを
知らない未熟者が多い
→(つまり、過激な民族主義に走る未熟者がいる)
・プーチンとアメリカは、互いの価値観を理解することが難しい
→(つまり、辛抱強く相手を理解する努力をするべき)
・双方の指導者は強硬さを競争するのではなく、結果がどうなるかを
冷静に見極めるようにするべきだ
→(つまり、一歩間違えると、第三次世界大戦、核戦争に発展する)
上記の通り、一見すると関係のない、「ロシア歴史」や「価値観の違い」
といった観点を含めた、多面的・複合的な要因に基づく判断をしている。
「利益と覇権」だけを追求すると失敗することを知っているわけです。
こういった合理性だけの戦略だけに拘らないのは、戦略家としての奥深さ
である、「見識」や「哲学」の差なんだろうと思います。
ただ、注意したいのは、キッシンジャーは、あくまで「戦略家」であり、
「社会学者」ではありません。
フレデイさんが前に指摘したように、キッシンジャーの「指導理念」
では、21世紀の多極型世界を運営していくことは困難だと思います。
また、氏の「最大の欠点」はユダヤ人であり、中東政策をイスラエルの
国益を優先させることで失敗に導いているところでしょうか。
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