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tako2008さん のコメント

ついでなので、南シナ海情勢(米中対立)について。

不謹慎かもしれませんが、面白い展開になってきた。
これは、米国が自ら動いてしまった時点で、米国の負け。

なぜなら、これまで米国が南シナ海問題へ口出ししていたのは、周辺国
を守るためではなく、米国の利権(海洋覇権)を守るためであるという
本音を世界に向けてを暴露してしまったからです。

米国が介入しなければ、「中国が周辺国をいじめている」という印象を
情報戦にして世界に向けてアピールすることができた。この構図を利用
していけば、中国とアジア諸国の離間工作を続けられたのです。

しかし、対立の構図を「中国と米国」にしてしまった時点で、もはや
中国とアジア諸国との離間は成り立たない。

この先、ASEAN諸国の共同声明は、「関係国は自制するように」
から「米中とも自制するように」に変わるでしょう。
米国は、短絡的に動いてしまった。

ではなぜ、此処へ来て米国は行動に出たのか。
その理由は次の3つの内のいずれか。

 ①大統領選に向けた国内向けのアピール
 ②米国の存在感低下を危惧した世界へのアピール
 ③米国の南シナ海における海洋権益を守るための牽制

①大統領選に向けた国内向けのアピール:

 最も可能性が高いと思う。

 時期大統領選への布石か、共和党からの弱腰批判をかわすため、
 あるいは、TPPを通すために、中国脅威論を利用した可能性。

 外敵の存在とは、為政者にとって大変都合の良いもの。

②存在感低下を危惧した世界へのアピール:

 これも可能性がある。AIIBショックに、米国は焦っている。

 アジア諸国は中国に取り込まれ、欧州諸国にはウクライナ問題で
 愛想をつかされた。中東でも影響力が低下してきている。

 しかし、脅威論を煽って、アジア諸国を離反させようとしている
 のかもしれないが、上記で述べたとおり逆効果である。

 ASEAN諸国の指導者は、(暗黙の了解として)中国だけでなく、
 ベトナムも岩礁の埋め立てをしていることくらい知っている。
 米国の行動は、完全なダブルスタンダードであり、正統性がない。

③南シナ海の海洋権益を守るための牽制:

 無理がある。牽制するとしても、米国は何もできない。
 実施に軍事行動を取れるかといっても、できない。

 もし偶発的に紛争になってしまい、米軍の優位性から中国が追い詰め
 られたと仮定しても、中国側が「次の一撃は、通常弾頭にあらず」を
 宣言した時点で、米国はそれ以上何も動けない。

我が国は、馬鹿げた米中の覇権争いに巻き込まれるべきでありません。
No.5
115ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
『日米開戦の正体』で、私は次のように書きました。引用します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++、   夏目漱石は『それから』で日本を牛と競争する蛙に例えて「もう腹が裂けるよ」と書いています  小説家は人間の真実を追求していますが、彼らが社会現象に目を向けた時、社会学者より、端的に真実を指摘することがあります。  夏目漱石がそうです。  夏目漱石は『それから』(1909年著)で、日露戦争後の日本を実に見事に描写しています。  ********************************* 「大袈裟に云うと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ。第一、日本程借金を拵らえて、貧乏震いをしている国はありゃしない。この借金が君、何時になったら返せると思うか。そりゃ外債位は返せるだろう。けれども、そればかりが借金じゃありゃしない。日本は西洋から借金でもしなけ
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。