『日米開戦の正体』で、私は次のように書きました。引用します。
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夏目漱石は『それから』で日本を牛と競争する蛙に例えて「もう腹が裂けるよ」と書いています
小説家は人間の真実を追求していますが、彼らが社会現象に目を向けた時、社会学者より、端的に真実を指摘することがあります。
夏目漱石がそうです。
夏目漱石は『それから』(1909年著)で、日露戦争後の日本を実に見事に描写しています。
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「大袈裟に云うと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ。第一、日本程借金を拵らえて、貧乏震いをしている国はありゃしない。この借金が君、何時になったら返せると思うか。そりゃ外債位は返せるだろう。けれども、そればかりが借金じゃありゃしない。日本は西洋から借金でもしなけ
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ついでなので、南シナ海情勢(米中対立)について。
不謹慎かもしれませんが、面白い展開になってきた。
これは、米国が自ら動いてしまった時点で、米国の負け。
なぜなら、これまで米国が南シナ海問題へ口出ししていたのは、周辺国
を守るためではなく、米国の利権(海洋覇権)を守るためであるという
本音を世界に向けてを暴露してしまったからです。
米国が介入しなければ、「中国が周辺国をいじめている」という印象を
情報戦にして世界に向けてアピールすることができた。この構図を利用
していけば、中国とアジア諸国の離間工作を続けられたのです。
しかし、対立の構図を「中国と米国」にしてしまった時点で、もはや
中国とアジア諸国との離間は成り立たない。
この先、ASEAN諸国の共同声明は、「関係国は自制するように」
から「米中とも自制するように」に変わるでしょう。
米国は、短絡的に動いてしまった。
ではなぜ、此処へ来て米国は行動に出たのか。
その理由は次の3つの内のいずれか。
①大統領選に向けた国内向けのアピール
②米国の存在感低下を危惧した世界へのアピール
③米国の南シナ海における海洋権益を守るための牽制
①大統領選に向けた国内向けのアピール:
最も可能性が高いと思う。
時期大統領選への布石か、共和党からの弱腰批判をかわすため、
あるいは、TPPを通すために、中国脅威論を利用した可能性。
外敵の存在とは、為政者にとって大変都合の良いもの。
②存在感低下を危惧した世界へのアピール:
これも可能性がある。AIIBショックに、米国は焦っている。
アジア諸国は中国に取り込まれ、欧州諸国にはウクライナ問題で
愛想をつかされた。中東でも影響力が低下してきている。
しかし、脅威論を煽って、アジア諸国を離反させようとしている
のかもしれないが、上記で述べたとおり逆効果である。
ASEAN諸国の指導者は、(暗黙の了解として)中国だけでなく、
ベトナムも岩礁の埋め立てをしていることくらい知っている。
米国の行動は、完全なダブルスタンダードであり、正統性がない。
③南シナ海の海洋権益を守るための牽制:
無理がある。牽制するとしても、米国は何もできない。
実施に軍事行動を取れるかといっても、できない。
もし偶発的に紛争になってしまい、米軍の優位性から中国が追い詰め
られたと仮定しても、中国側が「次の一撃は、通常弾頭にあらず」を
宣言した時点で、米国はそれ以上何も動けない。
我が国は、馬鹿げた米中の覇権争いに巻き込まれるべきでありません。
芝五郎大将も正確に軍部の暴走→自滅を予測されています。「ある明治人の記録―会津人柴五郎の遺書」
福島菊次郎さんは「日本人の骨身に染み込んだ差別意識が日本を自滅させると予言されています。「写らなかった戦後3 殺すな、殺されるな 福島菊次郎遺言集 」
(・・ここの内容とは無関係です・・・)
ネトウヨ・オヤジへ。
ホントに、うっとうしいお方だな。
当初は中国への外交姿勢(対中戦略)の話だったはず・・。
なんでそれが戦略家の評価の話に摩り替わっているのよ!(笑)
ブレンジンスキーは、戦略家というよりも、戦術家に近いのです。
そして、ネオコンとの関係が非常に強い。
対して、キッシンジャーの方がより広い視野で世界を見ている。
但し、「局所的な策略」が討てるかというと、おそらく無理。
例えば、ウクライナに仕掛けた謀略の評価としては、
「欧州諸国とロシアを離間させた」という観点では成功。
これに対して、大局的な観点で見た場合は、
「欧州の米国離れを招いた」「ロシアと中国を接近させた」
といった結果となり、失敗です。
総合的に国益への影響としてみた場合、マイナスでしょう。
キシンジャーは当初からNATOの東方拡大にも、
今回のウクライナへの政治介入にも反対。
ウクライナ問題については、キシンジャーの見解が正しかった
とうことでしょう。
重要なことは、対中国への姿勢については、両者とも意見が
一致しているということです。
それだけのこと。
夏目漱石と言うよりドストエフスキーかな?「罪と罰」とか、カラマーゾフとかね。虐げられた人間を甘く見ると発作を起こすのです。
そういえばブレジンスキーもキッシンジャーも虐げられたユダヤ人だな。なぜかロックフェラーに拾われたと言う感じなのかな?それよりもコメントが面白くもないので反応もできない。知識はあっても意見が凡庸では、あそうですか?の世界だ。前はもっと面白いことを書いていた気がするがな。ブレジンスキーがネオコンに近いと言うのは本当なのか?むしろ逆のような気がする。
そうですね。漱石は客観的な観方が出来たんでしょうね。漱石のデスクの上には英米系の情報が豊富にあったんでしょうね。当時の日本が国威発揚で盛り上がっている時に漱石はとても孤独だったに違いありません。
思いますに、客観的な観方とは知性と言い換えることが出来るのではないでしょうか。ドイツの思想家テオドル・アドルノはナチズムは「野蛮」と名付けて分析を試みて居ますが、一方、米国の思想家リチャード・ホフスタッターはマッカーシズムを反知性(anti-intellectualism)として捉え、その構造を解明しています。
ドイツは第二次大戦を徹底的に総括したうえで独自の政治を作り上げつつあるように見えます。米国と日本は、このところの浪費三昧で財政が完全に行き詰まってしまって常軌を逸してしまっていることから来るのかどうか不明ですが、やたら好戦的なのがとても不安です。米国は風潮としてマッカーシズムという反知性に戻りつつあり、日本は日本で富国強兵という反知性に回帰しつあるのです。
騒がしい日本や米国と違って対照的なのがロシアと中国でしょうか。両国は実に冷静です。勝負は冷静が勝つ。古今東西の道理です。ポツダム宣言後70年、日本と米国の知性が盛り上がることに期待するしかありません。
>>8
NakaBBさん。
紛らわしくて申し訳ありませんが、あなたのことでは
ないですよ??(汗)
旧ブログからの色々確執があるんです。
<私の恥ずかしい旧ブログ>
http://kisei-hantai.webnode.jp/
まあでも、イチイチ反応するもの時間の無駄かと思い始めました。
貴重な土日をネトウヨのおっさん達のために費やされなければ
ならないのかと思うと虚しくなります。
>ブレジンスキーもキッシンジャーも虐げられたユダヤ人だな
まあ、彼らの一番の問題はそこでしょうね。
イスラエルの国益を優先しているため、中東政策をことごとく
おかしくしている。
彼らに限った話ではなく、米国の政界そのものがおかしいのですが。
>前はもっと面白いことを書いていた気がするがな。
努力いたします(笑)
いやいや、AIIBも米中対立も、ホットな話題でしょうに。
孫崎先生が記事をかかれないので、私が変わりにね。
「アメリカの日本占領政策」福永文夫氏のお話を伺ってきました。
講義は占領の経過を経時的にお話しされ、当時の状況を理解するのに役立った。質疑応答で現実的の状況について福永氏自身の見方考え方をお話になり、間文化的にも歴史をとらえておられ大変大きな刺激を受けました。
「アメリカの占領を日米合作で、アメリカにも日本にも利益をもたらした」と考えるのが、妥当な考え方ではないかというのは、新鮮な見方考え方であった。被害者意識の強い現在の指導層は、「戦後レジームからの脱却」などと言っているが、米国の新自由主義に対し、日本の王政復古主義がうまく機能する可能性は少ないのではないかということであった。「安保」でアクセルを踏み、9条でブレーキをかけるから、車は正常に安全運転できるのであるが、「安保」でアクセルを踏み、9条のブレーキをなくしてしまえば、この車は、暴走するに決まっています。よく理解できることであった。
レジメのおわりの言葉が、(戦後日本の政治は「憲法」と「安保」という2つが引き寄せあって一つにならない楕円のなかに展開し、今改めて国際社会との関わりを問われている。それは、引き裂かれてきた沖縄の「戦後」を問うものである)ということであった。意味深く噛みしめていくべき言葉である。
>>11
younghope さん。
福永文夫氏の講演は聴いておりませんが、お話を伺う限り、
私には、典型的な従米主義・護憲論者の詭弁に聞こえます。
「アメリカの占領を日米合作で、
アメリカにも日本にも利益をもたらした」
確かにそれは事実でしょう。しかし、
「日米合作は大きなツケも残し、
現在その後遺症で我が国は苦しんでいる」
という側面もあることを見逃してはいけないと思います。
>「安保」でアクセルを踏み、9条でブレーキをかけるから、
>車は正常に安全運転できる
私は改憲論者ですが、決してリベラル派の方々が思っている
ような危険な思想はもっていません。
アクセル(=抑止力)、ブレーキ(=自制力)と定義すると、
「自主防衛力でアクセルを踏み、中立主義によりブレーキをかける」
というのが私の理想としている自立平和主義国家・日本です。
残念ながら、非武装中立というのは成り立ちません。
軍事力による抑止力があってこそ中立を貫けるのです。
憲法9条を持たない欧米諸国や韓国といった米国の同盟国は、
過去に米国につきあい、多くの戦争(軍事介入)をしてきました。
しかし、はたして、憲法9条がないことが、戦争をしたことの
「直接的要因」なのでしょうか。
彼らは、「憲法9条がないから戦争をした」のではなく、
「米国の同盟国として戦争をした」のではないですか。
以前述べましたが、「卵が先か、鶏が先か」とう問題ではないかと。
本来、あるべき国の姿が、軍部の暴走、日米戦争、および敗戦
という歴史によって、歪められたのだと考えております。
>>14
takoさんへ
人の話を簡単に紹介することのむずかしさを痛感しております。日米の合作論は、憲法はじめ法律一般まで米国が勝手に作ったのでなく、日本人も多くの人間が関与してきた。また政策も米国が一方的に決めるのでなく、日本の意見を尊重しながら、議論しながら、進めてきたのが戦後復興につながったとみておられます。今日の繁栄があるのですから、結果論的に正しかったとみて間違いないでしょう。イラクなどの他の米国占領を見ても日本ほど成功した例がありません。9条ブレーキ論は、私の持論であり、中立を志向し暴走しない歯止めとなるものであって、福永さんが述べたものではありません。私は、改憲に反対ではありませんが、集団的自衛権に反対であり、個別的自衛権で、今まで先人たちが培ってきた米国と対等の気持ちで、米国と交渉にあたっていくべきだと考えています。そのほうが日本にとっても米国にとっても良いことだと考えています。あなたはあなたであり、私はあなたではありません。この根本的なことはご理解ください。
かつて、ジャイアンツファンも、アンチジャイアンツも、どちらも巨人を中心にプロ野球を見ている意味で、ジャイアンツファンと言われた。外交においても似ているように思う。親米も反米も、米国中心に外交を見ている点において米国ファンなんだと。よく考えるとヨーロッパの事情を私たちはよく知らない。かつて独仏が戦争で争い、ヨーロッパの平和を実現・維持するために作られたのがEUであることも。世界で米国追従政策を執っているのは日本だけではないでしょうか。そこから脱却するにはどうすればいいのか。国民が本気で考えるべき時です。