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フレデイ タンさん のコメント

そうですね。漱石は客観的な観方が出来たんでしょうね。漱石のデスクの上には英米系の情報が豊富にあったんでしょうね。当時の日本が国威発揚で盛り上がっている時に漱石はとても孤独だったに違いありません。

思いますに、客観的な観方とは知性と言い換えることが出来るのではないでしょうか。ドイツの思想家テオドル・アドルノはナチズムは「野蛮」と名付けて分析を試みて居ますが、一方、米国の思想家リチャード・ホフスタッターはマッカーシズムを反知性(anti-intellectualism)として捉え、その構造を解明しています。

ドイツは第二次大戦を徹底的に総括したうえで独自の政治を作り上げつつあるように見えます。米国と日本は、このところの浪費三昧で財政が完全に行き詰まってしまって常軌を逸してしまっていることから来るのかどうか不明ですが、やたら好戦的なのがとても不安です。米国は風潮としてマッカーシズムという反知性に戻りつつあり、日本は日本で富国強兵という反知性に回帰しつあるのです。

騒がしい日本や米国と違って対照的なのがロシアと中国でしょうか。両国は実に冷静です。勝負は冷静が勝つ。古今東西の道理です。ポツダム宣言後70年、日本と米国の知性が盛り上がることに期待するしかありません。
No.9
116ヶ月前
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『日米開戦の正体』で、私は次のように書きました。引用します。 ++++++++++++++++++++++++++++++++++、   夏目漱石は『それから』で日本を牛と競争する蛙に例えて「もう腹が裂けるよ」と書いています  小説家は人間の真実を追求していますが、彼らが社会現象に目を向けた時、社会学者より、端的に真実を指摘することがあります。  夏目漱石がそうです。  夏目漱石は『それから』(1909年著)で、日露戦争後の日本を実に見事に描写しています。  ********************************* 「大袈裟に云うと、日本対西洋の関係が駄目だから働かないのだ。第一、日本程借金を拵らえて、貧乏震いをしている国はありゃしない。この借金が君、何時になったら返せると思うか。そりゃ外債位は返せるだろう。けれども、そればかりが借金じゃありゃしない。日本は西洋から借金でもしなけ
孫崎享のつぶやき
元外務省情報局長で、駐イラン大使などを務めた孫崎享氏。7月に発行された『戦後史の正体』は20万部を超えるベストセラー、ツイッターのフォロワーも13万人を突破。テレビや新聞が報じない問題を、日々つぶやいている孫崎氏。本ブロマガでは、日々発信。週1回別途生放送を発信。月額100円+税。【発行周期】日々。高い頻度で発行します。